研究課題/領域番号 |
13410032
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
足立 自朗 埼玉大学, 教育学部, 教授 (20016489)
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研究分担者 |
加藤 義信 愛知県立大学, 文学部, 教授 (00036675)
小谷野 邦子 茨城キリスト教大学, 生活科学部, 教授 (20162076)
西川 泰夫 放送大学, 文化科学研究科, 教授 (70053642)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 助教授 (90215806)
坂西 友秀 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30165063)
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キーワード | 心理学史 / 第二次世界大戦 / 学説受容 / 国策 / 研究運動 |
研究概要 |
本研究は、教育(発達・臨床含む)、社会といった分野の心理学の歴史について、第二次世界大戦の前後の時期を対象に、社会との関連、制度的整備、学説の受容といった観点から研究するものである。 2年目となる平成14年度も、基本的には戦前・戦中期班、戦後占領期班、戦後復興期班の3つに分かれて、その時期ごとの検討を行った。 戦前・戦中期班:当時の学術誌の調査を通じて、満州国における心理学の実態についてさらに検討を加えた。 戦後占領期班:戦後の教育・社会系心理学の発展の基盤について検討した。特に、立命館大学で整理され公開されたGHQ文書のデータベースを用いて、占領軍の政策と教育心理学の展開の関係についての全体像の調査を行いそのリスト化を行った。 戦後復興期班:戦後の教育心理学の屋台骨というべき「四本柱」と呼ばれる教育心理学教育(教科書作成)のパラダイムの成立の功罪について検討した。 また、二つの学会においてシンポジウムを開き、研究を公開しつつ討論を行った。つまり、日本心理学会第66回大会では「海外留学と日本の心理学」と題するワークショップを行い、元良勇次郎、戦前の留学生たち、戦後のガリオア・フルブライト留学生たちをとりあげ彼らが何を獲得し、何を日本の心理学にもたらしたかを検討した。日本教育心理学会第44回総会では「日本における教育心理学の戦前と戦後」と題する自主シンポジウムを開催し、戦前における日本人及び他人種の知能研究に心理学が果たした役割とその影響、占領国アメリカの教育政策と教育心理学の内容、制度的な後押しを得て活性化したはずの教育心理学における不毛性議論の立ち上がりとその経緯、発達・臨床分野において受け入れられた学説とそうでないもの、について検討した。
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