研究I 「阪神・淡路大震災当初から継続している災害ボランティア組織への参与観察」 本研究のベースとなる事例として、震災当初から行っている災害ボランティア組織((特)日本災害救援ボランティアネットワーク)への参与観察を継続し、エスノグラフィーを加筆した。 研究II 「災害ボランティア組織のネットワークの動向調査(1)」 災害NPOが形成している全国レベルのネットワーク(「全国災害救援ネットワーク」や「震災がつなぐ全国ネットワーク」等)の会合に参加し、現状と問題点を整理した。これまで蓄積した研究成果とともに学術論文を公刊した。また、ボランティアを含んだ災害救援体制について、政策提言を行うための資料の準備を開始した。 研究III 「災害ボランティア組織のネットワークの動向調査(2)」 「全米災害救援ボランティア機構」の活動について、同時多発テロ事件への対応を中心に聞き取り調査を行った。 研究IV 「平常時の災害ボランティア組織が行う活動調査-地域づくりという観点から」 全国的なネットワーク(研究II参照)の参加団体の本拠地において、防災を視野に入れた地域づくりの活動を調査・観察し、災害ボランティアが、コミュニティの活性化に果たす役割について、理論的な考察を開始した。 研究V 「災害ボランティアに関する理論構築」 上記研究の途中経過を総合する第1歩として、ボランティア研究の枠組みを提示する論文を公刊するとともに、災害ボランティア活動への参加について、原理的に検討し、国内外での学会発表を行って英文論文を公刊した。 研究会 月例で実施することはできなかったが、関連分野の研究者および活動の当事者を訪問し、最新の研究動向や現場の状況を把握し、来年度の研究に向けた展望を得た。
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