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2003 年度 実績報告書

知識獲得の時間的展開とそのモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 13410037
研究機関広島大学

研究代表者

松田 文子  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (50118048)

研究分担者 湯澤 正通  広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10253238)
中條 和光  広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (90197632)
宮谷 真人  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90200188)
中尾 美月  広島大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (70332799)
キーワード科学的知識 / 時間,距離,速さの理解 / 作業記憶 / 注意配分 / 潜在知覚学習
研究概要

[知識獲得モデルの構築]時間,距離,速さの関係概念の発達について,知識獲得のプロセスとメカニズムを,横断的,縦断的に詳細に明らかにし,これまでの研究を集大成した.また時間の知識と空間の知識について,その獲得過程の対比研究を行った.時間の知識のかなり高度な使い分けについても,思春期以降の子どもや大学生について調べ,記憶容量や認知方略との関係を調べた.さらに,大学生の時間の管理についての知識の現状を調べ,実践的な観点から,その獲得についての研究を継続中で,その最初の段階についてはすでにまとめた.
[知識獲得とメタ認知]子どものメタ認知や方略利用の変化のプロセスを観察し,科学的,数学的概念の獲得を促進する物理的・社会的環境について検討した.幼児に図形の大小を比較させ,さらに半数の幼児に方略の評価を行わせた.その結果,適切な方略使用と正しい比較判断が増加し,適切な方略の有効性を認識する子どもが増えた.しかし,有効性の認識は、方略の使用とは関係がなかった.物理的環境,メタ認知,概念獲得の間のダイナミックな関係が示唆された.
[文章理解と作業記憶]作業記憶容量と文章読解との関係を読みの眼球運動を指標として調べた.作業記憶容量はリーデイングスパンテストによって測定し,容量の大きな読み手と容量の小さい読み手の眼球運動のパターンを比較した.その結果,容量の小さい読み手は,読解の進行に伴って短い停留の生起頻度が高まることなどが見いだされた.このことから,容量の小さい読み手は文章を外部記憶補助として利用し,頻繁に文章をスキャンすることで読解の破綻を回避する補償的処理方略を用いていることが明らかとなった.この結果は,作業記憶容量と情報処理の効率性の相関を指摘するに止まらず,知識獲得過程において,人間が作業記憶をどのように利用しているかを明らかすることの重要性を示唆するものである.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 谷村亮: "少額4年生が時間の比較判断に用いる知識と方略-5年算数「速さ」単元の授業前と授業後の比較"発達心理学研究. (印刷中).

  • [文献書誌] Yuzawa, M.: "Young children's change in strategies of size comparison : Effects of task repetition and strategy evaluation"Japanese Psychological Research. (in press).

  • [文献書誌] Maruishi, M.: "Brain activation during manipulation of the myoelectric prosthetic hand : A functional magnetic resonance imaging study"NeuroImage. (in press).

  • [文献書誌] 湯澤正通: "児童心理学の進歩"概念と概念形成. 34-58 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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