研究課題/領域番号 |
13410038
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大野 博之 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (00037037)
|
研究分担者 |
昇地 勝人 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50036901)
遠矢 浩一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (50242467)
大神 英裕 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20020141)
緒方 登士雄 東洋大学, 文学部, 教授 (80152370)
宮田 敬一 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (60115079)
|
キーワード | 行動障害 / 自閉性障害 / 知的障害 / 身体障害 / アスペルガー障害 / ADHD / 動作法 / 心理劇 |
研究概要 |
心理学の視点から行動障害を示す人たちに対する適切な理解と有用な心理援助のあり方について検討を行ってきた。いわゆる障害をもつ人たち(強度行動障害、自閉性障害、アスペルガー障害、知的障害、身体障害、注意欠陥・多動性障害など)の心身の機能は、行動面にだけでなく、認知や情動の歪み、遅れ、偏りなどの諸特徴を示すことが明らかになった。勿論、脳病理学や生理学的接近とは異なるため、行動問題の原因を直接に特定することはできないが、彼らが示す行動問題に対して環境の操作や人間としての関わりに関する要因を加えることによって様々に変化することがわかってきた。とりわけ、心理援助の技法を導入した場合、環境による変化分を越えて、認知や情動の側面が変化し、行動障害として発現している心身における様々な問題が改善することがわかってきた。その内容は、認知や情動、身体の諸機能の改善に加え、彼らが共通に苦手とする対人関係にも変化が見られ、日常生活能力の向上や学校や社会に対する適応の問題にまで及んだ。我々は動作法や心理劇を中心とする心理援助の技法を用いたが、それぞれの方法論上の工夫や対象による適用の仕方の工夫などによってより効果を高めることもわかってきた。これらの成果は国内外の学会で発表してきたが、今後もさらに洗練した形にする予定であり、行動障害を改善するための具体的な心理援助の技法として確立していくためのプログラムを準備している。
|