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2001 年度 実績報告書

生態学的自己の発達と障害に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13410040
研究機関熊本大学

研究代表者

干川 隆  熊本大学, 教育学部, 助教授 (90221564)

キーワード生態学的自己 / 組織化 / 障害 / 足底圧 / 光学的流動 / 姿勢 / 脳性まひ
研究概要

本研究の目的は,生態学的自己の発達と障害について検討することである.本研究での生態学的自己とは,環境の中の能動的な行為者として考えられる個体であり,光学的流動の中から定位と動きを直接に正確に特定するものである.3年計画初年度である本年は,1)これまでの文献を収集し生態学的自己の発達と組織化に関する文献研究と,2)実験システムの構築を行った.文献研究では主に,生態学的自己の発達の障害としての脳性まひ児の姿勢発達に注目した.その文献展望は,脳性まひの姿勢発達でもこれまで言われていたような中枢神経系の問題だけではなく,むしろ環境の資源に対してどのように諸感覚を統合するかといった組織化(organization)の観点からみていくことが必要であることを明らかにした.また,障害を従来の障害impairmentの観点ではなく,組織化の困難さdisorganizationとして見ることが心理的な発達を促す上で重要であることが示された.この文献展望は現在,投稿準備中である.次に,実験システムの構築に関して,これまで部屋全体が傾くという傾く部屋を作成し,それに引き起こされる光学的流動の姿勢の影響を調べてきたが,本年は新たに姿勢動揺を足底圧測定装置により測定すること,光学的流動をフェイスマウントディスプレイの装着により生じることで,傾く部屋と同様の姿勢動揺を生じるかについて検討した.まだ大学生を被験者とした予備実験の段階ではあるが,フェイスマウントディスプレイでも姿勢動揺を生じることが明らかとなった.今後さらに,刺激の提示方法の洗練と姿勢変化の測定方法の検討,それに処理プログラムの開発により,脳性まひ児を被験者として光学的流動の姿勢に及ぼす変化を調べることで,生態学的自己の発達と障害について検討する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 干川 隆: "脳障害"成瀬悟策(編)肢体不自由動作法(学苑社). 221-232 (2001)

  • [文献書誌] 干川 隆: "見ることと動くこと-動作と認知の組織化"昇地勝人他(編)障害特性の理解と発達援助(ナカニシヤ出版). 91 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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