研究概要 |
研究計画に沿って、以下の研究を実施した。(1)面接調査 日航機墜落事故の遺族1名、中華航空機墜落事故の遺族3名に面接を実施、質問内容の検討を行うとともに、遺族会の会員に対する面接調査の依頼を行った。この結果に基づいて、来年度の面接の内容ならびに規模を検討中である。(2)大学生およびその両親1200名に対して、死別経験に関する質問紙調査を実施した。今回の調査には、GHQ(一般精神健康調査)12項目版、IES(Impact of Event Scale)、世界観尺度(Janoff-Bulman,1985)の他、健康度・家族状況・社会的サポート・主観的幸福感などを含めた。また、意味構築(meaning-making)と利得探求(benefit-finding)の側面については、Tedeschi & Calhoun(1995)の"post-traumatic growth inventory"、McMillen & Fisher(1998)の"Perceived benefit scale"などを参考にしながら独自に質問項目を作成、同時に実施した。現在、データの入力が終了した段階で、これから各尺度の信頼性・妥当性の検討を行う予定である。また、1000名を越えるデータが得られたので、死別時期や死亡原因などによる死別の心理的影響についても結果を比較検討し、これに基づいて来年度の本調査の質問項目を作成する予定である。(3)心理学、精神医学関係のデータベースを利用して、悲嘆・死別に関する論文を広範囲に収集した。現在、それらを、事故の種類別(航空機事故、自動車事故、海難事故、など)にまとめ、内容を比較検討中である。
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