研究分担者 |
是枝 喜代治 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 主任研究官 (70321594)
花輪 敏男 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 研究室長 (90332171)
廣瀬 由美子 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 分室, 主任研究官 (90321596)
大六 一志 武蔵野女子大学, 人間関係学部, 助教授 (10251323)
谷口 清 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50200481)
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研究概要 |
1.ASQ(Autism Screening Questionnaire : Rutterら,1999)を参考に,保護者記入式の調査質問紙『行動と社会性の評定に関する質問紙・日本版試案』を作成し,予備調査を実施し,約100件のデータを得て,分析を開始している。 2.ASSQ(Screening Questionnaire for Asperger Syndrome and Other High-Functioning autism Spectrum Disorders : Ehlersら,1999)を参考に,教師記入式の調査質問紙『高機能自閉症スペクトラムのスクリーニング質問紙・日本版試案』を作成し,予備調査を実施し,約600件のデータを得て,分析を開始している。 3.高機能自閉症の児童生徒14名と健常な児童生徒13名を対象に,受動的注意・能動的注意・語音感受能力と社会性との関係について,脳波の事象関連電位を指標として検討した。その結果,この両群の事象関連電位の振幅や潜時には,大きな差異は認められなかった。 4.自閉症の児童24名と健常な児童42名を対象に,文字・音声及び視線等への注意の向け方の特徴についてアセスメントを実施した。この結果は,現在分析中であるが,(1)視覚刺激及び聴覚刺激に対する平均反応時間には,自閉症児と健常児の間に差は認められない,(2)視線については,自閉症児も健常児も大半の児童が反射的に視線の方向に注意を向ける,(3)矢印については,自閉症児と健常児で差が見られ,反射的に矢印の方向に注意を向ける児童が多いが,健常児は視線の場合と異なり,意識的に矢印と逆の方向に注意を向けることができる,といった特徴が見出された。 5.自閉症の児童120名と健常な児童350名を対象に,身体協応と社会性との関係についてデータを得た。自閉症児の身体協応の水準は,健常児より有意に低い傾向にあった。
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