研究課題
基盤研究(B)
1.欧米で開発された自閉症に関する教師記入式の質問紙および保護者記入式の質問紙を翻訳し、自閉症を含む広汎性発達障害児、ADHD児、健常児の3群のデータを収集し分析した。この結果をもとに、自閉症スクリーニング質問紙(日本語版)、高機能自閉症スクリーニング質問紙(日本語版)、および児童用AQ(日本語版)の3つを開発し、臨床的妥当性の検討および標準化へ向けての取り組みを実施した。また、これらの質問紙を用い、自閉症児とADHD児の社会的障害の特質の類似性と差異を検討した。2.自閉症における社会的障害の本質について生理心理学的・神経心理学的側面から検討した。具体的には、視線、音声、人の動きなどへの注意の向け方の特徴について、課題への反応(正答率、反応時間、誤反応の傾向等)の分析と脳波の分析から、自閉症児と健常児を比較・検討し、報告書にまとめた。3.自閉症およびADHDの社会的障害の特徴と手先の不器用さや運動のぎこちなさとの関係について検討し、特に高機能自閉症児およびADHD児の運動・動作面への教育的支援の試みについて報告した。4.保護者や成人当事者(高機能自閉症、アスペルガー症候群、ADHDの本人)の協力を得て、自閉症とADHDそれぞれの障害の特質を踏まえた適切な教育的支援のあり方や、社会的困難性への対処法等に関する支援マニュアルの試案を作成し、報告書(提言集)としてまとめ、教育委員会等に配布した。
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