研究課題/領域番号 |
13410043
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青木 紀 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80125484)
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研究分担者 |
青木 デボラ 北星学園大学, 短期大学部, 教授 (90310101)
岩田 美香 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (30305924)
杉村 宏 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (20113574)
間宮 正幸 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70312329)
松本 伊知朗 札幌学院大学, 人文学部, 助教授 (20199863)
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キーワード | 貧困の世代的再生産 / 教育福祉 / 母子世帯 / 生活保護 / ソーシャルワーク / 家族・学校・地域の連携 / スクール・ソーシャルワーク |
研究概要 |
1.2年度目である本年は、8月末約1週間、昨年度に引き続いて苫小牧市において子どもを持つ生活保護世帯の訪問調査(約20世帯)を中心に、地元福祉事務所ケースワーカー(10人)、民生委員・児童委員(10人)に対して、聞き取り調査を行った。当初は札幌市での調査も予定していたが昨年度と同じ苫小牧市において、同じ対象世帯に再度訪問し、その生活史のより詳しい聞き取りをした方が研究を深め、成果が期待できると考えてのことであった。そこで明らかとなった一つは、保護受給世帯の生活の現実と関係者のその状況を見る目とのズレ、いいかえれば「貧困」認識の著しいズレであった。また今一つは、世代的に連鎖した貧困の「再生産」のより詳細な事実であった。なおこれ以外に、関連して昨年度の大規模な子どもと親へのアンケート調査結果をふまえ、関係機関や保護世帯の子どもの生活と意識に関する聞き取り調査も行った。それらの成果は大であった。(「研究発表参照」) 2.以上の成果をふまえ、2月末に10日間ほど米国オハイオ州コロンバス市およびオハイオ州立大学を訪問し、聞き取り調査と次年度の準備作業を行ってきた。訪問したのは、いわゆるWelfare to Workを通じて保護受給母子世帯の自立を促進しているCommunity Opportunity Centers、および教育委員会以外でスクール・ソーシャルワーク活動を大規模の展開しているCommunity In Schools (NPO組織)などであった。オハイオ州立大学ではソーシャルワーク学部のKeith Kilty教授ら3人、その他の学部ではSharon Selling助教授,Richard Moore助教授らを訪問し、議論を重ねた。またこれ以外に、訪問はしていないがアリゾナ州立大学Elizabeth Segal教授(もとオハイオ州立大学)と連絡を取り、次年度のシンポジウムの出席の約束をとった。
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