研究課題/領域番号 |
13410044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 日本女子大学 (2002-2003) 山形大学 (2001) |
研究代表者 |
内藤 辰美 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (00064098)
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研究分担者 |
小浜 ふみ子 愛知大学, 経営学部, 助教授 (20288426)
佐藤 直由 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (00125569)
葛西 大和 山形大学, 農学部, 教授 (20033178)
黒岩 亮子 日本女子大学, 人間社会学部, 助手 (60350188)
西浦 功 日本女子大学, 人間社会学部, 助手 (10318579)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 都市の再生産 / 社会階層 / 名望家 / 地域文化 / 安定層と不安定層 / 上昇志向型と現状維持型 |
研究概要 |
いま、多くの地方都市が衰退しその影響を受けて市民生活は深刻な危機に面している。地方都市を再生させ市民生活を危機的状況から救い出す即効薬は存在しない。地方都市の再生産過程-盛衰の歴史-を解明し、未来を見据えた対応策を講ずるという科学的作業だけが、迂遠にして、しかしもっとも有効な方法である。われわれはそうした認識に立って調査を行い、成果として以下の諸点を発見・確認した。 (1)小樽市の盛衰は明治国家の北海道・北方領土政策と極めて密であった。国家の地域政策は都市の再生産-盛衰-に大きな影響を有している。都市の盛衰に関する研究に「国家」の視点は不可欠である。 (2)都市の盛衰と社会階層-構成と移動-の関係も密接である。小樽市の場合、発展・成長期(明治-大正)に各種事業者を中心に資本家・名望家と労働者群が創出され、衰退期(昭和-現在)には多くの資本家・名望家が姿を消している。都市の社会階層は都市の盛衰に歩調をあわせてその構成を変えている。社会階層の動態把握は都市の盛衰と市民生活の分析に不可欠の視点である。 (3)都市盛衰の歴史は、同時に、地域文化盛衰の歴史であった。特にわれわれが調査の対象とした小樽市高島地区の事例は地域文化の盛衰が都市の盛衰と密接であることを教えている。 (4)小樽市は、現在、発展期に蓄積した歴史的資源によって観光都市となっている。しかし財政事情は非常に厳しい。そうした中で市民は「安定層」と「不安定層」に分化しつつある。階層の移動に関しては「上昇志向型」と「現状維持型」が存在することも確認された。なお、調査は、小樽市民の行政(小樽市政)に対する評価が高くないという事実も発見した。特に若年層における評価には厳しいものがある。
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