研究課題/領域番号 |
13410052
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
徳野 貞雄 熊本大学, 文学部, 教授 (40197877)
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研究分担者 |
高野 和良 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (20275431)
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キーワード | 有機農業 / 農村(村落構造) / 担い手 / 生活環境 / 水循環 / 農業法人 / T型集落点検 / 中高齢者小世帯 |
研究概要 |
日本各地で、農業・農村の担い手として活躍している人々のインタビューをかなり勢力的に行った。中でも、朝市や直販活道の担い手となっている農家女性の現状分析に力を注いだ。結論的言えば、行政やマスコミが女性のビジネスチャンスの拡大などと言っているが、お金より、むしろ自分たちの暮らしの生活防衛的活動として分析できた.すなわち、50〜60歳代を軸とするメンバー達は、10年後の自分たちの暮らしを見つめている。夫はすでに体力がなくなり、子供達は当てにならない中で、自分たちの暮らしを守るための具体的な担い手を、朝市や農産加工などの働き手の中に見いだしていることが判明した。このことは、NHKのクローズァッブ現代でも力説した。 今年は、農業法人による農業・農村の担い手の研究にかなりの時間を割いた。農ネット21などに加盟している農業組織を全国各地で調査した。最も重点的に行ったのは、福岡県の「きのこの里」という生産法人である。「日本の農業・農村は女性と若者に冷たい」と言う問題を解決するため、女性だけの農業法人組織、20歳代の後継者だけの農業法人を地域に次々と立ち上げ、技術的部門のみならず、販売や経営的ノウハウも支援する中で、町内に13もの法人をショットガン的立ち上げ、「農業でメシが食えるムラづくり」に取り組んでいる。この人達の実践から、従来の農村とは異なる新しい価値観を持った農村が創造される可能性を見ている。 また、今年度は、BSEや鳥インフルエンザとの関わりもあり、消費者の行動、特に風評被害を起こす人々の分析に力を入れ、消費者の分類型を構築した。風評被害を起こしやすい消費者は、意識行動が分裂している分裂型消費者に多い。すなわち、政府の「食の安全性」キャンペーンなどで、意識だけで行動が伴わないない人に多かった。
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