研究課題/領域番号 |
13410054
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
數土 直紀 学習院大学, 法学部, 教授 (60262680)
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研究分担者 |
赤川 学 信州大学, 人文学部, 助教授 (10273062)
富山 慶典 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (50207627)
盛山 和夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50113577)
樽本 英樹 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50271705)
伊藤 賢一 群馬大学, 社会情報学部, 専任講師 (80293497)
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キーワード | 社会数理モデル / 公共件 / 権力 / 規範 / シミュレーション |
研究概要 |
今年度は、研究代表者が日米数理社会学合同カンファレンス(於・バンクーバー)において研究報告(タイトル:Ihdependency of Political Power from Legitimacy)を行ったほか、合計4回の研究会を学習院大学において開催した。今年度開催した研究会での報告内容は、次の通りである。 (1)"Evolution of Distributive Justice in Social Influence Networks"、(2)政治的権力の正統性からの独立性、(3)後期ハーバーマスの展開の体系的分析、(4)都市型公共空間における不関与の規範の形成、(5)損害賠償額が上昇するメカニズム、(6)シミュレーションということ-<社会>の理解/記述/創出、(7)構成主義と構成されざる現実-物語と語りえないもの、(8)利他的な行為者はゲームをどうみているか-評価戦略による対称ゲーム2×2分類の試み。 上記のうち、(1)、(2)、(4)、(8)は、社会数理モデルの有効性を探る研究報告であった。内容的には、配分的正義、権力、規範、社会秩序など、主として公共性の問題を扱っている。(3)、(5)は法化社会をめぐる理論研究であり、先と同様に公共性に関わる問題を扱っている。(6)、(7)は社会的現実を記述する方法論をめぐる研究報告であり、やはり広い意味で社会の公共性について議論した。このように、今年度は特に公共性をめぐる問題をとりあげ、数理的・理論的アプローチがこの問題にどのような貢献をなしうるのか、多角的に検討した。その結果、公共性の問題は、修辞的な文体で曖昧に記述されるべき問題ではなく、その成立メカニズムを論理的に記述すべき問題だという方向性を確認することができた。
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