研究課題/領域番号 |
13410057
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
|
研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
吉井 博明 東京経済大学, コミュニケーション学部, 教授 (10146269)
|
研究分担者 |
松田 美佐 中央大学, 文学部, 助教授 (30292783)
羽渕 一代 弘前大学, 人文学部, 専任講師 (70333474)
土橋 臣吾 武蔵工業大学, 環境情報学部, 専任講師 (50350236)
石井 健一 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 専任講師 (90193250)
辻 泉 松山大学, 人文学部, 専任講師 (00368846)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
キーワード | 携帯電話 / インターネット / 国際比較 / 利用実態 / 社会的影響 / モバイル / 通信文化 / 日韓台 |
研究概要 |
日韓台の携帯電話及びインターネットの利用実態を調査した結果、日韓台ともにほぼ同じ頃に急速に普及したという点では同じであるが、その利用形態には大きな違いがみられることを実証することができた。また、これらの通信メディアの使い分けは、各国・地域のコミュニケーション文化を色濃く反映する「通信文化」と呼ぶべきものが存在し、それに強く規定されていることがわかった。たとえば、韓国では、携帯電話を通話に使うことが非常に多く、日本では通話よりメールがよく使われている。この背景には、親しい人への連絡手段の選択に際して、相手が置かれている状況への配慮をどの程度すべきかというコミュニケーション文化の違いがある。韓国の場合は、「ウリ」と呼ばれる親しい集団の間では、遠慮をすることがあってはならないという文化があり、通信手段の選択に関しても遠慮しないことが求められ、その結果、リッチネスが高いメディアである、通話が積極的に使われる。これに対して日本では、親しい人への連絡に際しても、相手への配慮を欠いてはいけないとする「抑制」のコミュニケーション文化があり、このためメールが多用されるのである。また、日台の携帯電話利用の比較をしてみると、もっとも大きな違いは、利用の効用として「家族とのコミュニケーションが増えた」ことをあげる人の割合が日本では少ないのに対して、台湾では非常に多いことがあげられる。携帯電話利用がその社会でもっとも親しい集団の凝集力を強化する働きがあるという点では共通しているが、それがどの集団化ということになると、台湾では家族であり、日本ではふだんよく会う友人集団、韓国では「ウリ」という仲間集団ということになるのである。 以上述べたように、日韓台の比較調査により、それぞれの国や地域に固有な通信文化が存在し、それが携帯電話を含む通信メディアの使い分けを規定していることがわかった。
|