研究課題/領域番号 |
13410062
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
岩上 真珠 聖心女子大学, 文学部, 教授 (70213270)
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研究分担者 |
中谷 茂一 聖学院大学, 人文学部, 専任講師 (70297191)
米村 千代 千葉大学, 文学部, 助教授 (90262063)
宮本 みち子 千葉大学, 教育学部, 教授 (60110277)
松田 茂樹 第一生命経済研究所, ライフデザイン研究本部, 副主任研究員
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キーワード | 少子・高齢化社会 / ライフコース / 成人親子関係 / 成人期移行 / 50代 / コーホート効果 / 時代効果 / 地域間比較 |
研究概要 |
平成13年度から始まったこのプロジェクトは、平成14年、平成15年と3年間を経過し、順調に進行している。 平成15年度においては、成人移行期の親世代に関するデータを収集した。内容は、主として20代の子どもとの関係および子どもへの態度で、離家、同別居、経済的援助・被援助、家事、会話、相互作用、扶養・介護、将来への不安や期待、家族規範、などの項目である。調査対象は、東京都府中市と長野県松本市に居住する、50代男女のサンプルをそれぞれ1500(男性750、女性750)ずつ、計3000サンプルを層化無作為抽出によって選び、郵送調査を行った。その結果、1250サンプルの有効票を回収した(回収率は41.4%)。 得られたデータをクリーニングの上、分析を行い、報告書を作成し、合わせて対象者にも送付した。 主たる知見は以下のとおりである。(1)両地域とも20代長子の男女ともに7割は未婚である、(2)府中市では未婚子の72%が親と同居(松本市では54%)、(3)両地域とも親子関係は良好である、(4)子どもの就職・結婚については、親の過半数は不安に感じている、(5)親の過半数は結婚の時期にはこだわっていない、(6)両地域とも、同居の子どもの身辺について、親がしてやっているのが8割以上、(7)しかし、子ども自身がすべきという規範を親の3割〜4割が有する、(8)子どもの離家について、親の4割近くは何もいわない、(9)親の8〜9割が、将来、子どもには扶養を期待していない(府中と松本に差あり)、(10)府中で親の8割弱、松本で7割弱が、子どもに介護を期待していない、(11)親の7割以上が、子どもに家計の補助を期待してない、(12)老後の同居規範には地域間差異が大きい、(13)家や土地の処分については、個人の自由ではないと考えることにも地域間格差あり、(14)子どもの役割期待に関するジェンダー差は両地域ともみられない。 来年度は、過去のデータと合わせて、少子・高齢化社会の未婚20代の子と親との関係の全体像を描き出す予定である。
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