研究課題/領域番号 |
13410064
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
宮島 喬 立教大学, 社会学部, 教授 (60011300)
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研究分担者 |
田房 由起子 立教大学, 社会学部, 助手 (20350291)
太田 晴雄 帝塚山大学, 人文学部, 教授 (10185275)
佐久間 孝正 立教大学, 社会学部, 教授 (80004117)
坪谷 美欧子 日本学術振興会, 特別研究員
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キーワード | 外国人 / 不就学 / 義務教育 / ニューカマー / ブラジル人学校 / 就学困難 |
研究概要 |
本年度は本研究の実施2年度目にあたり、いわゆるニューカマー外国人の子どもたちの就学を困難にしている事情と、就学の実態について、保護者へのインタビューおよび市町村教育委員会への聞き取り調査を通じて明らかにした。 保護者インタビューは主に愛知県と神奈川県で行ったが、そこでは外国人の子どもたちの日本語適応の難しさ、学校の対応の不十分さ、日本社会の心無い対応などの問題点がこもごもに語られた。ただし、子どもの就学に何らかの問題を抱えている保護者という限定をしたので、必ずしも十分な数のケースを集めることができなかった。 それに対し、市教育委員会への調査は、5つの県(群馬、神奈川、愛知、岐阜、三重)の、外国人多住都市17市に対して行い、成果を挙げることができた。調査の中心テーマは、外国人児童生徒の就学状況を各教育委員会が適切に把握しているか、という点であったが、確認しえた点は、次の諸点である。 1)外国人の子どもの就学に困難があるという認識はだいぶ共有されるようになり、教委の関心は高いものがあるが、義務教育が外国人に適用されないため、就学案内→就学確認のフォローが行われている所は少ない。 2)数字の上で就学の確認を行っている市は半数以上におよび、就学率は60〜70パーセントを示す所が多かった。 3)就学希望の外国人に外国人登録証の提示を求めることは、不正規滞在者の就学断念を導きかねないため、数自治体では、これを求めないこととし、他の方法による本人確認を行っている。 4)年齢15歳を超える者には中学就学を認めない(夜間中学は除く)という自治体もあり、これが就学困難の一因であるという認識が示された。 その他、諸外国での外国人児童生徒の就学の扱い、個別外国人集団ごとの就学傾向等について研究会で専門的知識の提供を受けるなど、多くの情報を収集することができた。
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