研究課題/領域番号 |
13410080
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
金田 利子 静岡大学, 教育学部, 教授 (60086006)
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研究分担者 |
長崎 イク 常葉学園短期大学, 保育科, 教授 (10141425)
郷式 徹 静岡大学, 教育学部, 講師 (40332689)
渡邉 保博 静岡大学, 教育学部, 教授 (50141552)
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キーワード | 保育の質 / 幼児期 / 学童期 / 人格発達 / 保育実践 / 保育内容・方法 / 類型 / 因子分析 |
研究概要 |
今年度は、3年間継続の初年度で、これからの追跡研究の前提となる研究を行った。それは、本テーマの準備であると共に、現代日本における保育実践の類型の研究にもなる。すなわち、乳幼児期の保育の質の効果を学童期の人格発達で捉えようとするのが本研究の目的であるが、今年度は、実験条件に当る幼児期の保育の質を見る上で、重要となる対象園選定の科学性に視点をおき、保育の質を問う時必ず問題になる保育の内容・方法およびその類型に着眼した。そこで今年度は、現代日本における保育実践の類型を明確にし、来年度から追跡する対象園を抽出する前提資料を見出した。具体的には(2)を中心に、(1)実践分析・文献的研究、(2)調査研究、(3)フィールド研究を行い、一定の成果報告を行った。(1)では、保育の類型化に関する実践研究と保育方法・内容に関する研究を著書(報告11の図書欄)や研究誌(報告11の雑誌論文欄)に載せ、(2)では、日本発達心理学会(3月)と日本保育学会(5月)の報文を作成した。(3)では、報告先は検討中だが、比較追跡調査予定のUSA(園)への視察・資料収集と、USAの海外共同研究者(招聘)と共同で日本の追跡対象予定園への訪問調査を行った。 中心となる調査研究の成果の概略は次のようである。まず、日本における保育の類型をみる分類尺度の作成を行った。予備調査では因子分析によって4因子を抽出した。次に、予備調査の結果の一般性と妥当性を検討する本調査では、項目の調整後の幼稚園教諭と保育士への調査結果の因子分析により3因子(第1因子=保育環境、第2因子=保育内容・方針、第3因子=大人の立場優先)を抽出した。3因子の組み合わせによって、第1と第2の因子のクロスを中心に、日本の保育実践が4類型に分類でき、来年度から2年間(5歳、小1)追跡する対象園(4類型園)を科学的に決定できた。
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