研究課題/領域番号 |
13410100
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
高良 倉吉 琉球大学, 法文学部, 教授 (60264470)
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研究分担者 |
池田 栄史 琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
赤嶺 政信 琉球大学, 法文学部, 教授 (40192893)
山里 純一 琉球大学, 法文学部, 教授 (50166659)
真栄平 房昭 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (50183942)
豊見山 和行 琉球大学, 教育学部, 助教授 (40211403)
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キーワード | トカラ列島 / 琉球 / 十島村 / 中之島 / 奄美 |
研究概要 |
琉球と九州のあいだに長くつらなるトカラ列島に関する研究は、本土側、とくに鹿児島県側の研究者によるものがほとんどで、琉球側からの研究はまったくないといってもよい状況であった。今回、琉球側から研究代表者、分担者を中心に、研究協力者として琉球大学の教官、大学院生、奄美大島在住の研究者など総勢19名による調査を8月におこなった。調査期間は、台風のため、当初予定より若干短くなったが、中之島で歴史学、考古学、民俗学、方言学の観点からの総合的な調査をおこなった。このような合同調査は今回が最初のものであり、調査だけでなく、現地での各研究者間の意見の交換は有意義であった。調査終了後、鹿児島市内でトカラ研究の多くの実績を持つ下野敏見(鹿児島大学名誉教授)、山田尚二(西郷南州顕彰館長)の両先生をまじえて研究会をもった。ここでの意見交換も有意義であった。トカラ列島が予想以上に過疎化していて、海を隔てて南に位置する奄美(琉球側)からの移住者が多く、奄美との比較研究が重要であることが確認された。近代化と過疎、それに移住による地元の文化や社会状況の変容をいかに記述するかなどの意見も出された。考古学的な調査は、このような短期間の調査では実績を得にくく、埋蔵遺物の調査ではなく、グスク(琉球的な城塞)の分布調査、奄美・沖縄との比較研究が有効ではないかという報告もあった。 何よりも現地を実際におとずれ、踏査することによって得られた感覚や経験は、文献研究では得られないものであり、今後の研究に大いに役立つことは間違いない。 また、鹿児島市内では沖縄では入手しにくい文献資料の収集や、十島村役場での資料の収集と情報の提供などをうけた。これらは今後の研究の基礎資料となるものである。
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