研究課題/領域番号 |
13410102
|
研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
池上 裕子 成蹊大学, 文学部, 教授 (70232171)
|
研究分担者 |
志村 洋 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (90272434)
蔵持 重裕 立教大学, 文学部, 教授 (70153369)
渡辺 尚志 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (10192816)
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
久留島 典子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70143534)
|
キーワード | 中世近世移行期 / 土豪 / 村落 / 駿河国内浦 / 伊豆国西浦 / 獅子浜村植松氏 / 長浜村大川氏 |
研究概要 |
今年度調査は静岡県沼津市静浦・内浦(旧駿河国内浦・伊豆国西浦)地域を対象とした。同地域には、戦国期以来の土豪の多くが現在まで存続しているとともに、伝来文書も多く現存している。伝来文書は大半は東京都品川区国立史料館、沼津市歴史民俗資料館・同明治資料館に所蔵・寄託されているほか、現地に存在するものもある。今年度については文書調査を中心とし、各史料所蔵機関所蔵分、現地ではこの地域における最も中心的な存在である旧長浜村大川氏・旧獅子浜村植松氏の所蔵史料について、およそ戦国期から17世紀末の元禄期までを対象に調査・撮影をおこなった。その数量は約1200点、フィルムにして150本に及ぶ膨大な分量にのぼった。撮影文書については目録を作成し、さらに17世紀半ばの寛永期までを対象に未刊文書についての翻刻作業をおこなった。このなかには戦国期のもの3点が存在することが特筆される。なお、調査対象となる史料数が予想以上に膨大な量にのぼることが判明し、そのため今年度調査では予定するものすべてを調査することはできず、いまだ相当数の要調査史料が残存するとともに、さらに現地にも未調査の史料群が存在するようであるので、次年度以降においても引き続き調査をおこなうことが必要である。また文書調査とともに若干の現地踏査をおこない、両地域についての景観、地域的な特徴の概要を把握したが、そのなかで戦国期内浦において植松氏に匹敵する土豪として存在していた町田氏について、江戸時代における存続を確認することができた。これは内浦諸村の関係の在り方を考察するための重要な素材と認識され、その本格的な調査の必要があり、次年度以降の課題とする。また、次年度には別に、旧武蔵国荒川村・持田氏を調査対象とすることを予定し、そのための準備調査をおこない、文書の伝来やこれまでの研究・調査成果についての把握をおこなった。
|