研究課題/領域番号 |
13410103
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
深谷 克巳 早稲田大学, 文学部, 教授 (20063696)
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研究分担者 |
島 善高 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (60187424)
紙屋 敦之 早稲田大学, 文学部, 教授 (00194978)
安在 邦夫 早稲田大学, 文学部, 教授 (30120900)
堀 新 共立女子大学, 文芸学部, 助教授 (80296524)
村田 安穂 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90063601)
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キーワード | 藩世界 / 権威 / 徳島藩 / 高知藩 / 岡山藩 / 鳥取藩 |
研究概要 |
本年度も、研究対象とした中国・四国地方諸藩の史料の調査を行い、研究課題にせまるため、必要な史料をマイクロカメラにより撮影して収集した。主たる調査地は、「研究実施計画」に示した徳島・鳥取であるが、あわせて岡山・高知も実施した。 2002年8月に、阿波徳島藩の史料調査を行い、あわせて土佐高知藩・備前岡山藩の史料調査を行った。徳島藩については、東京の国文学研究資料館史料館に蜂須賀家文書が収蔵されており、前年度に調査を行ったが、今年度は地元に残る史料の調査を行,た。徳島城博物館・徳島県立文書館・徳島県立博物館に収蔵されている徳島藩関連の史料を調査し、必要に応じて撮影して史料を収集した。調査史料は、藩主蜂須賀家が発給した書状や受け取った書状、蜂須賀家が旧蔵していた書籍類が中心であった。また、蜂須賀氏の墓所など、現地のフィールドワークを行った。高知では昨年度の補足調査を行い、山内家宝物資料館で藩主山内家宛の諸大名からの書状や江戸詰め家臣からの書状を調査・撮影した。岡山では岡山県文書整備班・岡山市立中央図書館で、地方史料を中心に調査を行い、必要な史料を撮影した。 2003年3月に、因播鳥取藩・備前岡山藩の史料調査を行う。鳥取藩については鳥取県立博物館に収蔵されている鳥取藩政資料を調査する。鳥取藩政資料は鳥取藩の藩庁史料で、国許の諸役職の史料だけでなく、江戸藩邸の家老・目付・留守居などの日記群が多量に残されており、幕藩関係を基軸に大名権威を考える格好の史料である。岡山藩については、岡山県文書整備班および岡山県文化センターで調査を行う。昨年夏に続いて地方史料を中心に調査し、必要に応じて撮影により史料を収集する。 以上の調査により、日光社参をめぐる幕藩の対応や藩の負担、大名の本・分家関係や相続、藩世界における寺院の役割や宗教権威、在地秩序の内容とその形成、地域における政治思想・政治意識の形成などに関する史料を収集した。 上記調査と併行して、高知・宇和島・萩・鳥取・徳島・岡山各藩の活字史料の収集を進めた。 以上の収集史料を順次講読している。大名の類型に留意しつつ、幕府、大名、寺社、民衆の相互の関係とそこで形成される意識、構築される「権威」について検討している。
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