研究課題/領域番号 |
13410106
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研究機関 | (社)部落問題研究所 |
研究代表者 |
鈴木 良 社団法人部落問題研究所, 研究員 (70179274)
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研究分担者 |
竹永 三男 島根大学, 法文学部, 教授 (90144683)
大森 久雄 社団法人部落問題研究所, 研究員 (30072705)
井出 幸喜 社団法人部落問題研究所, 研究員 (30133622)
藤本 清二郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (40127428)
塚田 孝 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60126125)
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キーワード | 部落問題 / 水平運動 / 融和運動 / 三好伊平次 / 三好文庫 / 地域資料採訪 |
研究概要 |
第一年度の研究計画として、(1)撮影・複写による「三好文庫」史料等の共有化と保全、(2)共有史料の史料学的検討、(3)第二年度以降の史料調査のための予備調査を掲げた。(1)については、謝金を利用して専従の撮影担当者を確保し、竹永三男・井手幸喜が指揮してこれを推進した。その結果、「三好文庫」史料はほぼ撮影を終え、史料保全措置も講じることができ、近日中に研究分担者全員にCDにて配布するとともに、カラープリントとCDで閲覧に供することができることとなった。また(2)については、「三好文庫研究会」の例会を7回にわたって開催し、三好伊平次の研究業績と経歴を検討した上で、「三好文庫」中の部落調査史料、関東地域及び紀州地域の史料、水平運動・融和運動関係史料、北海道移住者調査史料、融和教育資料を逐一史料学的検討を加えつつ分析していった。その中で、三好伊平次による地域史料採訪自体の復元も追究し、「三好文庫」史料のもつ歴史学的意義を再確認していった。さらに(3)については、竹永三男が国会図書館憲政資料室・新潟県立文書館、鈴木良・竹末勤が東京国立博物館、井手幸喜が佐賀県地域について個別に史料調査・収集を進めるとともに現地踏査を行ったほか、三好伊平次生家とそこに遺された史料群を共同調査し、旁々三好伊平次関係者から聴き取り調査を行い、併せて、岡山大学「池田家文庫」、岡山市立中央図書館「光田健輔文庫」も調査した。このほか、「三好文庫」「水平文庫」史料を全社会的視野から検証するための基礎史料として、「協調会」の調査資料コレクションのマイクロフィルム版を購入し、研究資料を蓄積・整備した。以上のように、第一年度は、研究計画に沿ってほぼ所期の目的を達したが、第二年度には、そこで明らかになった課題の究明、史料調査の本格的展開と「三好文庫研究会」での検討、成果の公開を推進したい。
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