研究課題/領域番号 |
13410112
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
増谷 英樹 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (50083225)
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研究分担者 |
鈴木 茂 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10162950)
相馬 保夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90206673)
立石 博高 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00137027)
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90172551)
安村 直己 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30239777)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 人の移動 / ユダヤ / ディアスポラ / エスニシティ / 国民国家 / クレオール / 帝国 / 植民地 |
研究概要 |
本研究の目的は、西洋近代における人の移動が、それぞれの社会にどのような変化をもたらし、人々の意識や行動を規定し、歴史を創造してきたのかを、「移民/ユダヤ/ディアスポラ」をめぐる問題に注目して解明することであった。本研究で設定した「移民/ユダヤ/ディアスポラ」をめぐる問題には、ユダヤ近現代の歴史を「ディアスポラ」概念を通して再構成するという課題と、近年の文化・社会研究から提起されている「ディアスポラ」概念の鋳直し、すなわち起源の場所から切り離された人々による新たな共同性やネットワークの構築に注目する視点を導入して、人の移動がもたらした作用を歴史的に再検討するという二重の課題が含まれていた。 具体的な研究活動は、(1)近代ヨーロッパにおけるユダヤ/ディアスポラ問題、(2)近代ヨーロッパにおける移民/ディアスポラ問題、(3)近代南北アメリカにおける移民/ディアスポラ問題という3つの研究班に分かれて進めた。初年度は、各研究班による資料収集と研究会が中心となったが、第2年度、第3年度には、これらに加え、海外から研究者を招いて国際シンポジウムおよびワークショップを開き、研究成果をめぐる国際交流に努めた。これらの国際交流の機会を通して、本研究の課題が国際的な研究の潮流においても意味のあることが確認された一方、本研究の活動と成果を海外の研究者と共有することができ、有意義であった。 本研究の独創性の一つは、大西洋をはさんだヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカを結ぶ「西洋近代」の世界を措定し、それぞれの地域史を専攻する研究者の共同研究であった点にある。人の移動から「西洋近代」を再検討することを通して、さまざまな側面で近代世界のグローバルな歴史像を構築する手がかりが得られた。今後、本研究の成果をまとまったかたちで発表できるよう努めるとともに、ここで得られた知見を新たな起点として、さらに深めてゆくことが必要である
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