研究課題/領域番号 |
13410115
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福永 伸哉 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50189958)
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研究分担者 |
清家 章 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助手 (40303995)
高橋 照彦 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10249906)
都出 比呂志 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90025065)
杉井 健 熊本大学, 文学部, 助教授 (90263178)
松木 武彦 岡山大学, 文学部, 助教授 (50238995)
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キーワード | 前方後円墳 / 古墳時代 / 後期古墳 / 勝福寺古墳 |
研究概要 |
本年度は3年計画の研究の第2年目であった。年度前半は、分担研究者が昨年に引き続いて九州、中国、四国、畿内各地における後期前方後円墳の事例収集をすすめるとともに、年度後半には、その築造状況の地域的・時期的特徴を抽出し、築造背景を考察することに作業の重点を移していった。その結果、前方後円墳が後期になって消滅する地域、多数築造される地域、中期以来一貫して継続する地域といった対照的なあり方が小地域ごとに複雑に展開し、かつそうした現象が関連する背景のもとに生じている可能性の高いことが明らかになってきた。 7月から8月にかけては、畿内北部の猪名川流域の首長墳である川西市勝福寺古墳の発掘調査を行い、墳丘規模を確定するとともに、他の地域とのつながりがうかがえる特有の技法で作られた埴輪を多数検出した。中期古墳が認められない猪名川中流域に、後期になって出現する前方後円墳の意味を考察するためのよい資料を得ることができた。 また、この発掘調査においては、インターネットを活用してホームページ上で連日情報を発信するとともに、現地説明会のインターネット中継を行うなどして、科学研究費補助金による研究の一端をいち早く社会に公表する取り組みを試みた。 以上の成果をうけて、1月には研究会を開催し、前方後円墳の歴史的意義、後期の前方後円墳の地域的偏差、畿内北部地域の事例などについて研究報告を行うとともに、活発な議論を行った。
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