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2004 年度 実績報告書

弥生時代成立期における渡来人問題の考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13410118
研究機関九州大学

研究代表者

宮本 一夫  九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (60174207)

研究分担者 田中 良之  九州大学, 比較社会化研究院, 教授 (50128047)
岩永 省三  九州大学, 総合研究博物館, 教授 (40150065)
中橋 孝博  九州大学, 比較社会化研究院, 教授 (20108723)
辻田 淳一郎  九州大学, 科学研究院, 専任講師 (50372751)
キーワード壱岐 / カラカミ遺跡 / 小値賀島 / 楽浪系土器 / 三韓系土器 / 銅剣 / 支石墓 / 弥生時代
研究概要

1.2カ年に及ぶ五島列島小値賀島遺跡群の調査を終え、その遺物整理を行い、小値賀島遺跡群のみの単独の報告書を刊行した。この調査と整理作業の過程で、弥生早期の朝鮮半島からの伝播ルートとして、朝鮮半島南部から済州島を経て五島列島という方向性は存在しないことが明らかとなった。やはり伝播ルートとして壱岐・対馬から福岡平野・糸島平野という流れから西北九州への伝播という方向性の可能性が高まった。
2.こうした研究成果を踏まえ、弥生時代においても弥生時代後半期に存在する朝鮮半島との交流の実態を明らかにする必要性に駆られた。その交流の大動脈である壱岐・対馬において、近年、壱岐原の辻遺跡ではそのような交流を示す楽浪系土器や三韓系土器が出土している。ところが同時代に存在している壱岐のカラカミ遺跡は、1951年の東亜考古学会の調査以来、正式の調査報告書が出版されておらず、その内容が不明である。これまでの調査で、遺跡の西麓には環濠が巡る可能性が明らかとなっているが、遺跡の東麓は不明であった。そこで、遺跡の東側の遺構状況を明らかにし、さらには朝鮮半島との交流を示す遺物の資料収集を目的として、カラカミ遺跡の発掘調査を実施した。その結果、遺跡の東麓にも環濠が巡ることが明らかとなり、ほぼ遺跡を全周する環濠集落であることが明らかとなった。また、環濠が廃棄された時期は、弥生終末期から古墳時代初頭と推定された。さらに、環濠の廃棄遺物中には楽浪系土器も出土した。以上のような発掘調査の成果については、科学研究費全体の報告書中に記し、公開した。
3.この他、弥生時代の交流史を考える上で、銅剣は重要な研究対象である。そこで、まずこのような銅剣が朝鮮半島内でどのように位置づけできるかを考える必要性があると判断した。これまで韓国で銅剣の実測調査を実施してきたが、さらにこれらの資料を充実させた。そして、これまで実測調査してきたものを踏まえ、朝鮮半島出土銅剣の集成と図の集成を試みた。その成果も、報告書に記載した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 破鏡の伝世と副葬-穿孔事例の観察から-2005

    • 著者名/発表者名
      辻田淳一郎
    • 雑誌名

      史淵 第142輯

      ページ: 1-39

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 中国大陸からの視点2004

    • 著者名/発表者名
      宮本一夫
    • 雑誌名

      季刊考古学 第88号

      ページ: 78-83

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 弥生人骨を用いたAMS年代測定2004

    • 著者名/発表者名
      田中良之, 溝口孝司, 岩永省三, Tom Higham
    • 雑誌名

      日・韓交流の考古学(九州考古学・嶺南考古学会第6回合同考古学大会)

      ページ: 245-251

  • [図書] 日本人の起源2005

    • 著者名/発表者名
      中橋孝博
    • 総ページ数
      268
    • 出版者
      講談社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 弥生時代の実年代2004

    • 著者名/発表者名
      宮本一夫
    • 総ページ数
      198-218
    • 出版者
      青銅器と弥生時代の実年代

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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