研究課題/領域番号 |
13410119
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
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研究分担者 |
三船 温尚 国立高岡短期大学, 産業造形学科, 助教授 (20181969)
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教授 (50183067)
高橋 美久二 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40275178)
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 主任研究員 (90250381)
蘇 哲 金城大学, 社会福祉学部, 助教授 (90329441)
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キーワード | 中国古代 / 山東省 / 〓博 / 斉故城 / 草葉文鏡 / 鋳鏡 / 笵 / 画像鏡 |
研究概要 |
中国・南北朝以前の銅鏡の製作地は、ほとんど判明していず、わずかに画像鏡のものが呉越地方で製作されたことが鏡背の銘文から判明していたのみである。これは中国において鋳鏡遺構から検出されていなかったことに起因している。 ここ数年の山東省を中心にわれわれの研究グループの研究によって草葉文鏡の製作地が、山東半島中部の博市の斉故城の大城東北側において草葉文鏡笵、トリベ破片などが集中して出土する地域を特定することができた。この地点は従前から知られていた煉銅遺跡2ヶ所とは異処である。このことによってすくなくとも、中・小径の草葉文鏡の一部が確実に斉故城で鋳造されたことが判った。ところが、草葉文鏡には胎の厚薄2種類があり、今日の鋳造遺構からは厚胎の笵が検出されていて、薄胎のものは見出していない。 広範囲の調査を続けている山東省では、魯南地域では、二重の郭線で表現する小形画像鏡があり、日照市までの海岸帯で出土している。現在までの資料では、江蘇地域では報告されていないので、地域性の強い鏡といえよう。 山東半島と大陸部の山東省では中形以下の内行花文鏡、大形の方格規矩鏡が少ない。重圏銘文鏡も大形のものは、極めて少ない。大型の画像鏡、中・小形の画文帯神獣鏡も少ない。このことは、目本の北九州出土の大形で精良な銅鏡の将来地の推定とも関わってくる重要な問題点であるといえよう。これらの鏡式の山東省内での地域的分布の変異も複雑なものであるが、2003年に予定している曲阜の調査を終了することには、全体の確実な見通しがたてられるであろう。
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