研究課題/領域番号 |
13410119
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
菅谷 文則 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10275175)
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研究分担者 |
横田 勝 国立高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (10029225)
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教授 (50183067)
高橋 美久二 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40275178)
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 主任研究員 (90250381)
三船 温尚 国立高岡短期大学, 産業造形学科, 教授 (20181969)
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キーワード | 青銅鏡 / 隋唐以前 / 山東省 / 金石学 / 鏡録 / 鏡式 / 伝世鏡 / 鋳造技術 |
研究概要 |
本研究の目的は大きく2項目に分けられる。第1は山東省全省の鏡(隋唐以前の鏡および出土鏡を中心とする)に関する資料収集を皆悉的に行ったことである。第2は鏡録研究である。 第1については、中国国家文物局、山東省文化庁・文物局、山東省博物館の支持と支援のもとに現地調査を実施し、およそ山東省におけるすべての鏡の資料を収集することができた。収集した資料の大部分は未報告資料である、中国の規定に従い中国での図録と研究書の刊行を予定している(2004年中国文物出版社より刊行予定)。また本調査においては、鏡の法量・銘文・写真撮影などの調査を行うだけではなく、工学と鋳造技法の調査を合わせて行い、各鏡に鋳造技法の分析を加えた。これは鏡の調査において、まったく新しい試みであったといえる。 第2の目的である鏡録調査については、宋代から中華民国時代にかけて金石学や碑帖・印譜・彝器款識などのいわゆる図録が多く刊行された。そのうち鏡を収録した図録(ここでは鏡録とよぶ)の収集をおこなった。その結果16種の鏡録を収集し、1000面近い鏡図の研究をおこなった。作成した鏡録図版は最終年度の実績報告書に収録している。本研究によって、現在の考古学における鏡の研究ではほとんど活用されることがなかった鏡録(青銅彝器の研究では古くから金石録の利用は多い)が鏡の考古学史的研究、銘文研究に大きな意義をもち、中自に多く存在する伝世鏡の鏡式やその出所を明らかにすることができると考えている。
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