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2001 年度 実績報告書

富本銭と和同開珎の系譜をめぐる比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 13410121
研究機関独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所

研究代表者

松村 恵司  独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 考古第二調査室長 (20113433)

研究分担者 栄原 永遠男  大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80102979)
キーワード富本銭 / 和同開珎 / 鋳銭技術 / 鋳銭司 / 初期貨幣史
研究概要

研究の初年度にあたる本年度は、1:和同開珎研究史の整理、2:銭貨鋳造関係文献資料の収集と遺物の調査、3:富本銭の鋳造技術の復原的研究、4:中国鋳銭関係図書資料の収集と翻訳、5:研究集会の開催、を柱とした研究を行った。
まず1の和同開珎研究史の整理では、和同開珎に関する文献目録を作成し、文献資料の収集を開始した。特に日本書紀に和銅以前の銀・銅銭、鋳銭司関係記事があるにも関わらず、「和同開珎=わが国最初の貨幣」という通説がどのような経緯のもとに成立したのか、という点に着目して学史を整理しているが、江戸時代以来の膨大な研究の全体像を把握する作業が次年度以降に残された。2〜5は相互に関係する一連の作業で、2では江戸時代の鋳銭絵図である「鋳銭図解」や「鋳貨図録」を分析し、3で得られた富本銭の鋳銭技術の復原成果と比較検討を行った。その結果、富本銭と、江戸時代の寛永通寳寶や天保通宵の鋳銭技術が、1000年近い懸隔があるにも関わらず、驚くほど似ている事実が判明した。また、飛鳥池遺跡の富本銭の鋳銭関係遺物と、平城京左京三条四坊七坪の和同開珎の鋳銭関係遺物との比較作業を行い、両者の技術的な系譜関係を追究したが、後者には中国からの直接的な技術的影響が認められ、技術革新の実態を把握することができた。さらに古代の鋳銭の実態を解明すべく、わが国の鋳銭司や銭貨の鋳造に関する文献史料を調査し、「古代鋳銭司関係史料集稿」を作成した。5では、以上の成果を踏まえて、「わが国鋳銭技術の史的検討」と題する研究集会を2月23・24日の両日にわたって奈良文化財研究所で開催し、鋳銭遺跡の調査に携わる研究者、古代史研究者、鋳造技術者40名ほどで、古代から近世にいたる鋳銭技術を通史的に検討した。次年度にこの研究集会の記録集の刊行を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松村恵司: "富本銭をめぐる諸問題"季刊 考古学. 第78号. 32-36 (2002)

  • [文献書誌] 松村恵司: "富本銭鋳銭技術の復原"研究集会『わが国鋳銭技術の史的検討』発表要旨. 2-21 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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