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2003 年度 実績報告書

富本銭と和同開珎の系譜をめぐる比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 13410121
研究機関独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所

研究代表者

松村 恵司  独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 考古第二調査室長 (20113433)

研究分担者 栄原 永遠男  大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80102979)
キーワード富本銭 / 和同開珎 / 無文銀銭 / 銀 / 初期貨幣史
研究概要

4カ年計画の3年目にあたる本年度は、(1):初期貨幣研究関係文献史料の収集と研究史の総括、(2):富本銭絵銭説の形成過程の解明、(3):古和同銅・銀銭の資料収集と分析作業、(4):研究集会「古代の銀と銀銭をめぐる史的検討」の記録集の編集と刊行、(5):研究集会「富本銭と和同開珎の系譜をめぐる史的検討」の開催、(6):中国鋳銭関係図書資料の収集と翻訳、(7)全国出土和同開珎の集成作業、を計画した。
まず(1)では、17世紀後半に始まる古銭の収集研究以来、300年にわたる初期貨幣研究の全体像を把握すべく、初期貨幣関係文献目録を完成させた。文献数は600件を超え、それをもとに文献資料の収集を続行しているが、銭譜関係の専門書の閲覧や入手が困難を極めている。本年は江戸時代の研究史の整理を行い、和同開珎を最古の貨幣とする認識の成立過程を明らかにすることができた。研究史の総合化は、最終年までかかるものと予想される。(2)の富本銭を絵銭とする説は、古銭研究の開始と同じ17世紀後半に誕生し、富本銭の資料の希少性や古代銭と江戸時代模鋳銭の混同視によって、絵銭説が定着したことが判明した。(3)の古和同銭は、出土資料が予想外に少なく、古銭界に伝存するものが大半を占めた。このため古銭界の古和同の型式分類研究を検証する作業を行った。(4)の研究集会記録集は、『古代の銀と銀銭をめぐる史的検討』と題する冊子(A4判本文194頁)を平成16年3月10日付けで刊行し、共同研究の成果を共有することとした。(5)の研究集会の開催は、研究協力者や発表予定者の日程の都合がつかず、開催を新年度に延期した。(6)の中国鋳銭関係図書資料の収集と翻訳作業は、開元通宝に関する書籍を中心に翻訳を継続している。来年度以降も作業を継続する予定である。(7)の全国出土和同開珎の集成作業は、全国438遺跡4800点を集成し、出土遺跡のドットマップを作成した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 松村 恵司: "無文銀銭考"新世紀の考古学 大塚初重先生喜寿記念論文集. 637-652 (2003)

  • [文献書誌] 松村 恵司: "無文銀銭の再検討"古代の銀と銀銭をめぐる史的検討. 213-240 (2004)

  • [文献書誌] 松村 恵司: "飛鳥藤原地域の無文銀銭"明日香風. 第90号. 17-22 (2004)

  • [文献書誌] 栄原 永遠男: "貨幣構造とその変遷"人とモノと道と(いくつもの日本 III). 273-292 (2003)

  • [文献書誌] 栄原 永遠男: "日本古代の「貨幣構造」"古代の銀と銀銭をめぐる史的検討. 203-212 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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