研究課題/領域番号 |
13410124
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
工藤 真由美 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30186415)
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研究分担者 |
金田 章宏 千葉大学, 留学生センター, 助教授 (70214476)
狩俣 繁久 琉球大学, 法文学部, 教授 (50224712)
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (30192016)
中井 精一 富山大学, 人文学部, 助教授 (90303198)
須山 名保子 聖学院大学, 人文学部, 教授 (10279573)
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キーワード | アスペクト / テンス / evidentiality(証拠性) / 時間的限定性 / 存在動詞 / 形容詞 / 名詞述語 / 感情・評価性 |
研究概要 |
本年度は、(1)東北から沖縄に至るまでの主要地点におけるアスペクト・テンス・ムード・時間的限定性・証拠性を中心とする文法的カテゴリーの調査、(2)東北から沖縄に至るまでの形容詞(イ形容詞)の基礎的調査、(3)京阪奈地区を中心とするシヨル形式、シトル形式の使用実態調査、(4)福岡地区を中心とするシ(シテ)ゴザー形式、シテアル形式の使用実態調査、の4つの調査を実施した。このうち、(2)(3)(4)については報告書を作成し公刊した。(1)については、来年度報告書にまとめる予定である。 (2)については、諸方言の形容詞が形式的な観点から、(1)イ系列型(標準語型)、(2)力系列型(連用形+アリ系)、(3)サ系列型(名詞形+アリ系)、(4)重複型、(5)連体型、に5分類できることが明らかになった。同時に形式動詞スルと接続して話し手の評価を表すことも明らかになった。 (3)について、シヨル、シトル形式は、男性がマイナスの感情・評価をもつ事象や動作主体(3人称)の場合に使用されやすい「傾向」があることが明らかになった。ただ、このような調査には困難がつきまとうため、大阪出身の作家による大阪を舞台とする小説の会話文の調査を今後継続する予定である。 (4)については、福岡地区のシテアル形式は、アスペクトと敬語性をともに表す形式であるが、シゴザー形式、シテゴザー形式と違って<進行><結果>のアスペクト的意味の違いは表さないことが明らかになった。
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