研究課題/領域番号 |
13410126
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
仲程 昌徳 琉球大学, 法文学部, 教授 (50044863)
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研究分担者 |
黒澤 亜里子 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (70215101)
星名 宏修 琉球大学, 法文学部, 助教授 (00284943)
新城 郁夫 琉球大学, 法文学部, 助教授 (10284944)
浦田 義和 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00151944)
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キーワード | 沖縄文学 / 日本文学のエッジ / 米国占領下 / 米国軍政下 / 大城立裕 / 慰安婦 / 戦記 / 言語・身体・記憶 |
研究概要 |
アメリカ占領下で創作活動を始め、戦後沖縄文学を牽引してきた大城立裕の文学全集が刊行されたあと、引き続き『大城立裕アルバム』が刊行され、仲程昌徳と研究協力者の岡本恵徳が、それぞれ大城の作品論を執筆。岡本はまた『沖縄文学選日本文学のエッジからの問い』の編集にあたるとともに概説、解説を担当。同書に仲程、黒澤亜里子、新城郁夫が概説、解説等を書き、新しい見解を提出した。同書は、本土の大学の教科書として採用され、沖縄文学の普及、研究の広がりに大きく寄与するなど注目された。 日本文学史の新しい構築および日本文学の研究方法が大きく変わりつつあるのを受けて、新城郁夫が、これまでの研究成果をまとめて出版、沖縄文学を取り上げて論じている同書が、日本文学史および日本文学の研究に、新しい一頁を加えた。 今年は山之口貘の生誕100年にあたり、それを記念する色々な事業がなされたが、浦田義和を中心に、琉球新報社ホールでシンポジウムを開催。韓国、東京等から集まった参加者による貘をめぐる討議-占領下にあった沖縄へ帰ってきた時のことを書いた詩を中心にした討議-が、仲程を司会にして、活発になされた。浦田、仲程は、占領下にあった沖縄の文学と植民地下にあった朝鮮の文学との比較研究のための資料を釜山、ソウルの図書館で収集。仲程は、また同じく植民地下にあった台湾で刊行された雑誌に掲載された沖縄人の表現を収集するため、台湾大学の図書館をはじめ台湾中央図書館分館で資料の探索にあたった。 植民地時代に発刊された日本語作品を精力的に発掘、研究している星名宏修は、やはり台湾で資料の収集にあたった。占領下にあった沖縄で書かれた文芸作品が、どのような特徴を有するものか、日本文学史のなかでそれを考えていくだけでなく、日本の植民地下にあった朝鮮、台湾等での日本語表現を考えていくことで、よりよく見えてくるものがあるに違いないのである。
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