研究課題/領域番号 |
13410130
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
太田 斎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (40160494)
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研究分担者 |
秋谷 裕幸 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (10263964)
木津 裕子 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90242990)
岩田 礼 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (10142358)
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キーワード | 漢語方言 / 方言地理学 / 新編地方誌 / 例外字音 / 漢語音韻史 / 浙江呉語 / 琉球官話 / フィールドワーク |
研究概要 |
基礎作業として太田が現代方言の文献資料の収集を担当し、新編地方誌所録方言誌に関してできる限り方言部分の執筆者を特定して、『新編中国地方誌所録方言誌目録』を作成し、今後の2年の研究の基礎固めを行った。この目録はまた別にファイルの形で共同研究者が共有することとし、今後の増補に容易に対応できるようにしてある。太田はまたこの作業で得た資料をもとに分析を行い、音韻変化の例外についての体系的考察を進めた。 岩田はパソコンによる方言地理学研究の条件整備を行った。現時点では中国全土で600地点のデータを盛り込むことが可能であるが、地図の精度を更に上げるべく、400地点を増やして1000地点にするという作業は院生アルバイトの利用により、大凡完成した。地点のバラツキ具合、所拠資料の精度の問題などを考えると、なお最善を期して若干地点の取り替えを行う必要があるが、次年度以降の研究のこの面に関する基礎はこれで完成した。岩田もまた、このような作業と同時に方言地理学研究を実践し、方言特徴の伝播を広域的に考察した。 木津は最近になって台湾、大陸において大規模な方言データベース作成作業が着手されたという情報が入ったため、歴史的方言文献の収集及び分析の作業をメインに据えることになった。具体的には近世音韻資料としての琉球資料を取りあげ、音韻史研究及び中国の多言語社会、多方言社会についての社会言語学的研究を行った。 秋谷は浙江呉語の現地調査を行い、データの収集、整理、分析などを進めた。そのうちの一地点は太田の調査を引き継いだ東陽方言で、もう一地点は蘭渓方言である。いずれも今年度の調査で完了した。編集作業も8割方済んでおり、報告書としての完成までもう一歩のところまで来ている。秋谷もまた同時進行的にこのようなフィールドワークで得られたデータを活用して、呉方言音韻史の再検討を行った。
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