研究分担者 |
丹治 陽子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (90188459)
丹治 愛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90133686)
草光 俊雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90225136)
矢口 祐人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00271700)
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研究概要 |
本研究は、(1)時代を19世紀末にかぎって、アメリカおよびイギリスの都市の表象を新歴史主義的に分析するさいに参照すべき一次資料のリスト(歴史、文学、思想など学際的な)をつくり、(2)世紀末文学テクストを、同時代の他の歴史、思想資料などと読みあわせることで、英米の世紀末文学における都市の表象の新たな諸相をあきらかにしようとするものである。 研究の初年度にあたる本年は、それぞれの担当者が(1)資料の収集と、(2)都市の表象研究についての基本的二次資料の読解をおこなった。 資料の収集については、本研究の学際性を考慮しながら、従来の学問区分を横断する多様な研究書、および資料の収集に努めた。とくに19世紀後半に公刊された一次資料については、すでに入手困難なものも多いが、いくつかの大学図書館などを実際に訪ねながら貴重な資料の発見およびその複写をこころみた。 基本的二次資料の読解については、Raymond Williams, The Country and the City (1973)、eds.Gerrald MacLean, Donna Landry, Joseph P.Ward, The Country and the City Revisited (1999)、Richard Lehan, The Ccity on Literature : An Intellectual and Cultural History (1998)などの基本的図書を読み、本研究を進めていくうえで必要な方法論(とくに新歴史主義的な傾向のもの)の検討、および本研究と関連するテーマの発見に努めた。 その他、19世紀後半から20世紀にかけての都市空間の表象と権力の関係(ホーンズ、シーラ)、世紀末の都市における消費文化と大衆文化のありよう(草光俊雄)、大衆と都市遊歩者という表象の生成(丹治愛)、自然主義作家における都市の環境と退化論(丹治陽子)、都市における建築的表象(矢口祐人)という個別のテーマについては、来年度以降、定期的な研究会のかたちで研究を深めていきたい。
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