研究課題/領域番号 |
13410131
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
HONES S 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70206035)
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研究分担者 |
丹治 愛 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90133686)
丹治 陽子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (90188459)
矢口 祐人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00271700)
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キーワード | 都市 / 田園 / 自然 / 文学空間論 / 自然主義 / 都市退化論 |
研究概要 |
(1)本研究の最終年度となる今年度は、それぞれの分担者が作成した論文について学期中ほぼ月1度くらいのペースで相互に論評する機会をもった。 (2)1880年から1925年にかけてのアメリカ文学の作品を具体的題材として、交通、移動、コミュニケーションという概念をふくめた、都市における空間と場所の表象が、作品解釈上、いかに重要な働きをなしているかを、フランコ・モレッリやアンドリュー・サッカーを援用しながら考察した。それをアメリカ、ニュージーランドのアメリカ学会で口頭発表。(ホーンズ) (3)ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』のなかで、「都市を歩くのが好き」と述べている主人公の言葉の背後にある個人的事情と文化的背景を解き明かす。具体的には、都市問題と当時の退化論の関係、退化論と精神病の関係、ウルフの患っていた精神病とその治療法として薦められていた田舎での安静療法、モダニズムの都市経験とウルフの文学の関係について考察した。北星学園大学での研究会で口頭発表。(丹治愛) (4)アメリカの都市イメージの歴史をピューリタン時代から概観しながら、シオドア・ドライサー『シスター・キャリー』およびフィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』のなかにあらわれている都市のイメージについて考察した。横浜国大の総合科目(リレー講義)の1回を用いて、口頭発表。(丹治陽子) (5)1893年に開催されたシカゴの博覧会の表象に焦点をあて、19世紀末のアメリカの都市イメージを考察する。とりわけErik LarsonのThe Devil in the White City(2003)をとりあげ、アメリカ文学・文化と都市イメージの関係について考察した。ニュージーランドのアメリカ学会で口頭発表。(矢口)
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