研究概要 |
平成14年度は,前年度に引き続き,the British National Corpus, Wordbanks Online等の一般に利用可能なコーパスに加え,本研究グループで再度利用可能になった世界最大規模のコーパスであるthe Bank of Englishも活用し,現代英語の語彙的・構文的な側面について更に詳細な事実調査を行い,これを基に,辞書,文法書,語法書などの記述の不備の整理を進めると同時に,先行研究では扱われてこなかった新たな言語事実の発掘を継続して行った。さらに,本研究のメンバーが主催するLexigramという研究会の月例会およびメーリングリストにおいて,伝統文法,記述文法,生成文法,構文文法等の知見を踏まえながら,これらの言語事実が持つ理論的な問題をメンバー間で相互に検討しあい,問題解決の方向性を探った。これらの成果の一部は,各自が論文にまとめるともに,滝沢が,Tuscan Word Centre(イタリア)のワークショップに参加し,二度にわたり研究発表を行うなど,口頭による発表や講演により公開してきた。 また,メンバーのほとんどが英語コーパス学会創立10周年記念大会において大会準備委員を努め,特に深谷・大名は,月例の研究会での発表・講習会の内容を活かし,それぞれシンポジウムの講師(題目「日本における英語コーパス言語学の現状と展望」),ワークショップの講師(「正規表現によるテキスト検索」)を務め,コーパスを利用した言語研究に関して,学問的・技術的な側面から学界への貢献を行った。
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