研究課題/領域番号 |
13420016
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
今野 順夫 福島大学, 行政社会学部, 教授 (60006591)
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研究分担者 |
砂山 克彦 岩手大学, 人文社会学部, 教授 (20004004)
高木 紘一 山形大学, 人文学部, 教授 (90007146)
伊藤 博義 東北文化学園大学, 医療福祉部, 教授 (50004156)
田中 明彦 龍谷大学, 社会学部, 助教授 (60310182)
高木 龍一郎 東北学院大学, 法学部, 教授 (30192149)
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キーワード | 介護労働 / 福祉労働 / 介護保険 / 社会福祉施設 / 在宅福祉 |
研究概要 |
13年度及び14年度にわたる調査・ヒアリング等を踏まえ、15年度は、調査の分析と実態を踏まえた理論化に向けて、進めてきた。研究者相互間は、距離的に離れているため、研究打ち合わせの機会は少なかったが、Eメール等での連絡を通じて、相互の研究内容について討論を繰り返している。これらをもとに、各研究分担者の個別研究・成果発表の準備を中心に進めてきた。 この過程で、2003年7月には、大阪市立大学の西谷敏教授を、仙台での研究会に招き、特に、ホームヘルパー等非典型雇用の雇用関係の法律構成について、大きな示唆を受けることができた。福祉労働者の実態は極めて多様であり、それ自体動いており、一律的な法理構築は困難である。しかし、わが国の福祉・介護の充実のためには、担い手である福祉・介護労働者の労働条件の改善が緊要の課題であるにもかかわらず、この分野の現実は、雇用形態の「多様化」によって、使用者責任を負わない、個人請負的な雇用形態が蔓延している。基本的には、「労働者性」を確認して、労働契約関係として、可能な限り法律構成することが必要である。また、高齢化のすすむ農村地帯での雇用の場の確保(=地域経済の再生)のためにも、生活のできる福祉・介護労働者の労働条件の改善が必要である。労働条件の向上のない限り、多くの福祉・介護労働者は、転職を余儀なくされず、その担い手を確保できない懸念もある。 現在、研究分担者の伊藤博義の古希を記念して、信山社から『福祉の現場-実践と発言』(編集代表:高木紘一・砂山克彦・今野順夫)の刊行に向けて、取りまとめの作業をしている。各福祉の現場での担い手の報告を含めて、その理論化をする企画であるが、各研究分担者も、そのなかで、「ケアマネージャーの実態と課題」(今野)、「無認可保育所の設立運動と現状」(高木紘一)、「福祉の職場と労働者の派遣」(砂山克彦)を執筆中である。
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