研究課題/領域番号 |
13420018
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田辺 国昭 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40171813)
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研究分担者 |
城山 英明 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (40216205)
森田 朗 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80134344)
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キーワード | 政策評価 / 地方分権改革推進会議 / 科学技術総合会議 / 組織間調整 |
研究概要 |
本年度は、内閣府に設置されたいくつかの会議による意思決定過程の変容、およびび政策評価制度を含めた組織間管理の手法の変容について研究を進めた。 内閣府に設置された経済財政諮問会議、総合科学技術会議、地方分権改革推進会議、総合規制改革会議、等は、中央省庁における決定過程の変化を促している部分と、これが既存の省庁縦割り型の決定過程を温存させる部分と、その効果は複合的であることが、インタヴューなどを通じて示されている。前者は、政治や政党との連関を確保する場合に主として生じるが、逆にこれらのバックアップなしでこれらの会議体が機能することを迫られる場合には、調整のコストが著しく肥大化している。 政策評価制度は、法制化された後の初めての運用の結果が出てきている。しかしながら、各省の対応は様々であり、この評価制度の管理体系としての安定的な運用には、いくつかの条件を必要としていることが明らかになった。各省内における局と官房の相対的な強さ、さらには官房内部における会計課と政策評価担当課との相対的な関係などの組織内部の手続きとそれによって生じる影響力関係が、この運用に違いをもたらしている。さらに、各省と政策評価担当組織としての総務省との間にも、従来の行政監察とは異なった関係が生じている。それは、特定の評価をめぐる主務官庁と総務省との対抗的な関係のみならず、各省の政策評価の枠組みを設定する制度官庁としての総務省の役割に起因している。また、この政策評価を通じた統制は、人員や予算といった資源配分を通じた事前の統制とも異なった組織間関係を構築している。評価軸の共有化に関する信頼の醸成と個別の評価における対抗性を確保するための距離感が、この統制を機能させる条件として捉えられている。
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