研究課題/領域番号 |
13430001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
金子 守 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40114061)
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研究分担者 |
鈴木 信行 静岡大学, 理学部, 助教授 (60216421)
松井 彰彦 東京大学, 経済学研究科, 教授 (30272165)
小野 寛晰 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90055319)
秋山 英三 筑波大学, 社会工学系, 講師 (40317300)
吉田 雅敏 筑波大学, 社会工学系, 教授 (00201012)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 認識論理 / ゲーム理論 / 意思決定 / 有限認識構造 / ナッシュ均衡 / 証明論 / 意味論 |
研究概要 |
本プロジェクト「個人の社会認識と社会・経済規範」は3年間の研究プロジェクトであった。本プロジェクトでは、この主題に関しての基礎的部分から応用までを研究した。具体的には社会経済状況における個人の内的構造の形成・発展(進化)と、それらの社会経済への影響を研究した。まず、社会構成員の心的内的構造という概念を明確にした。ここで、個人の心的内的構造とは、理性(思考形式・思考規範)・記憶・信念・知識・行動基準・経済規範・倫理・選好・嗜好等々を意味する。これらの構造を明確にすると、多くの経済・ゲーム論の基礎的問題への接近が可能になり、より具体的な社会経済現象への応用も可能になる。また、これによって、これらの内的構造の社会的文脈における形成・発展も議論できるようになる。例えば、個人の社会経済規範や社会観の形成の考察ができるようになった。 上述の研究を既に本プロジェクトの研究代表者(金子守)と研究分担者(鈴木信行)は論理学的な部分を発展させ、論文を公表した(Journal of Symbolic Logic 2003年)。これは個人の思考の中で他人との関係を考察した研究であり、全プロジェクトの基本的な方向性を与えるものである。 また、平成14年度・15年度は「個人経験から社会観の形成」について研究し、大きな成果をあげている。具体的には、ゲーム的状況において、プレイヤーが経験をつみ、その経験から帰納的に社会観を形成し、また、それにより、再び最適行動を行う。ただし、経験から帰納的に形成した社会観は現実の社会と大幅に異なることがあり、本人は最適行動をとっていると信じていても、客観的には最適でないことが往々にしてあることを示した。これらの研究は現在、論文としてまとめている。 これらの研究のレビューなどを受けるため、研究代表者は何度か国際集会に出席した。また筑波大学でゲーム論の国際集会を開催した。
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