• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 研究成果報告書概要

アジアの金融危機とIMF金融コンディショナリティ

研究課題

研究課題/領域番号 13430006
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経済政策(含経済事情)
研究機関東京大学

研究代表者

高木 保興  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10104605)

研究分担者 柳田 辰雄  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00197500)
研究期間 (年度) 2001 – 2003
キーワードアジア金融危機 / 金融制度 / 経済政策 / IMFコンデンショナリティ / 国際資本移動 / インドネシア / 韓国 / タイ
研究概要

1997年のアジア金融危機においてIMFが勧告した誤った政策のため、韓国やインドネシアでは金融危機はより深刻なものになってしまった。タイにおいては、1990年代初頭の金融自由化は、海外資金をタイ国内に大量に流入させることとなり、急速な経済成長をもたらした。為替レートが実質的に米ドルに固定されていたため、相対的に高い金利のタイに大量の短期資本が流入することとなり、過剰流動性を引き起こした。金融引き締めのために公定歩合を引上げると、相対的に高くなった金利が、さらなる資本が流入を引きおこしたが、中央銀行は流動性の吸収のために短期金融市場を利用して金融調節を行なった。しかしながら、短期国債市場、国債現先市場、CD(譲渡性定期預金)市場など公開市場操作の対象となるべき市場が未発達であり、有効な金融調節ができなかった。1980年代の経済成長が直接投資により達成されたため、金融機関には企業融資にかかわる情報生産活動やリスク管理の経験が十分に蓄積されていなかった。金融機関の行動を監視する機関が存在しなかったことも、その傾向に拍車をかけた。韓国において1980年代初頭におけるIMF指導のもとにおけるあまりにも緊急な金融自由化は、1990年代半ば金融市場の混乱を引き起こす結果となった。これはノン・バンクの金融機関を通じたあまり高い収益を生み出さない会社への間接投資が増加したためである。これらの金融機関は、自由化後の企業の融資に関する限られた経験及び専門技術の中で量的には急速に拡大していった。韓国は十分な制度上の進展なしに、IMFの勧告に従って間接金融からの直接金融指向の経済へと移行するスピードを加速させたが、金融部門の再編成は、いまだ進行中であり、株式,国債や社債をあつかう資本市場は、まだ成熟した段階にまではいたっていない。インドネシアにおいても、金融市場は基本的には銀行の預金および貸付市場を除いては未発達な状態であり、自由な国際短期資金の移動による変動為替相場の維持は困難な状況にある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Parluhutan H, Tatsuo Yanagita: "Daya Tahan Fiskal Berkelanjutan"Kebijakan Fiskal. Vol 1. 45-61 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tatsuo Yanagita: "Reforming the Indonesian Financial System and Fiscal Sustainability"Jurnal Keuangan and Moneter. Vol.6, No.1, Juli.. 43-52 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 高木保興: "開発経済学の新展開"有斐閣. 223 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tatsuo Yanagita: "Daya Tahan Fiskal Berkelanjutan"Kebijakan Fiskal. 1. 45-61 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tatsuo Yanagita: "Reforming the Indonesian Financial System and Fiscal Sustainability"Journal Keuangan and Moneter. 6-1. 43-52 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 2005-04-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi