今年度は、研究課題の予備的調査や研究が行われた。具体的には、次のとおりである。 第1に、IT化をグローバルな視点から把握するため、海外調査に取り組んだ。今年度行われたのは、中国(9〜10月)、アメリカ(10〜11月)、マレーシア(3月)である。各地域では、日系企業、現地系企業など、多くの企業を訪問し、グローバル化戦略、その中での各企業の現状について、ヒアリング、工場見学などを実施した。調査の結果については、現在取りまとめ中で、今後ワーキングペーパーや雑誌論文等に掲載する予定である。また、国内企業のについても、本文調査を実施し、IT化やグローバル化への対応、現在の状況のもとでの対応等について話をうかがってきた。これらの調査結果についても、適宜ワーキングペーパーや雑誌論文等に掲載の予定である。 第2に、毎月1回程度の研究会を開催し、その中で各自の取り組んでいるテーマについて研究の中間報告を行い、全体で議論を行った。すでに、研究分担者の1回目の中間報告は終了し、今後2回目の研究報告、最終報告書に向けた全体での検討に入っていく予定である。また、研究会ではアメリカのIT産業の現状について、専門に研究している龍谷大学の夏目啓二教授に報告をしてもらっている。 第3に、研究課題に関連する資料・図書等の購入を行ってきた。また、資料等については、データの整理作業も大学院生を使いながら、現在進めている。 第4に、こうした研究成果の一部を紀要等に論文として発表してきた。研究成果の内容については、今年度は予備的な考察ということで、特に日本経済、日本企業に関する現状、歴史的考察、海外展開の実態、あるいは日本経済を考える視点についてが中心になっている。
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