研究課題/領域番号 |
13430012
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
榎本 里司 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (80221117)
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研究分担者 |
李 捷生 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (50255634)
中本 悟 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (40180418)
明石 芳彦 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (00150970)
長尾 謙吉 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (50301429)
植田 浩史 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (10213357)
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キーワード | 企業 / 日本的生産システム / 日本的経営 / IT / バブル経済 / サプライヤ / 金融 / 労使関係 |
研究概要 |
本年度は、共同研究調査として10月から11月にアメリカ西海岸地域とデトロイト周辺地域の調査を行った。西海岸では、IT、エレクトロニクス産業の実態調査を企業訪問等を通じて行い、デトロイト周辺では主に日系自動車及び部品メーカーへの訪問調査を行い、アメリカ国内における各産業の実態やITが与えた産業・企業への影響を把握するとともにアメリカの状況が日本経済、日本企業にどのような影響を与えているのかを検討した。 また、本年度は、大阪市立大学経済研究所所報『日本企業システムの再編』を共同研究の中間的総括として刊行した。同書は、研究分担者である植田を編者に、明石、中本、李、榎本、数坂が執筆している。同書では、日本の企業システム全体を評価するよりも、企業システムをめぐる諸条件やさまざまな企業システムを取り上げ企業システムに関する実証的な分析を試みた。全体的な特徴として、第1に、上記の視点を考慮に入れながらもグローバル化やIT化など日本企業をめぐる環境変化、企業システム自体の変化、企業システム自身が内在している問題を考慮し、1990年代の変化や90年代に露呈した問題を説明しようとしている。そのために、分析対象によって時期をさらにさかのぼり、歴史的に変化を捉えようとしている。第2に、企業システムの今後のあり方について、現状に対して批判的な視角を持ちながらも、同時に企業システムを広い視野で位置づけなおし、環境変化と今後の日本経済の再生にとって必要な課題を提起している。第3に、全体は日本の企業システムのあり方を検討しているが、最近の企業システムに大きな影響を与えているアメリカの実態についても章を設け検討している。日本の企業システムのあり方を検討する上で、アメリカの製造業の実態と衰退から再生に関する議論を見ることが一つの示唆を与えてくれると考えたからである。
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