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2004 年度 実績報告書

北東アジアの移行経済の進展と日本の役割

研究課題

研究課題/領域番号 13430013
研究機関大阪府立大学

研究代表者

宮本 勝浩  大阪府立大学, 経済学部, 教授 (80078998)

研究分担者 駿河 輝和  神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (90112002)
高 龍秀  甲南大学, 経済学部, 教授 (40234687)
キーワード市場経済化 / 移行経済 / FDI / 民営化 / 国有企業 / 私企業 / 自由化 / 国際競争力
研究概要

研究代表者宮本勝浩は、何度も現地を訪れ、ロシア極東地方と中国の経済の分析を行った。ロシア極東地方は、ヨーロッパロシアと比較して、経済発展の速度が遅く、生産力や国民の生活水準は停滞している。それは、ヨーロッパロシアや隣国の中国との比較から明確になったが、外国からの直接投資や貿易量が少ないことが原因である。他方、中国の目覚しい経済成長の要因は、貿易量や外国からの直接投資であることが検証された。過去十年間で貿易量、直接投資は急増している。さらに、産業構造の変化が顕著であり、過去に衣類、繊維、食料品などの産業が国際競争力の優位性をもったが、近年は機械、機器などの産業が比較優位を持ちつつあることが証明された。他方、ロシアは過去も現在も原材料にのみ比較優位を持ち、二次産業には全く比較優位を持たないことが立証された。研究分担者の駿河輝和は、何度もモンゴルを訪問し、モンゴルの労働力調査から生産力の変化を分析した。モンゴル経済は市場経済への移行を図っているが、農業畜産部門への依存度が高く、付加価値の高い産業部門の育成が遅れていることが立証された。経済の活性化に必要な投資は不足しているので、外国からの直接投資の積極的な導入をはかる必要性があることが示された。研究分担者の高龍秀は、韓国経済の分析を行った。韓国は構造転換に成功し、アジア金融危機以後も高い成長率を維持し、先端部門においても日本に迫ってきている。しかし、金融システムなどに問題点も残していることが示された。私たちの分析したエリアは、高い経済成長を維持している韓国や中国と、市場経済化を目指しているが十分な成長を遂げていないロシアとモンゴルの2つの領域に分けることができる。日本は、経済成長が目覚しい中国や韓国だけではなく、天然資源の豊富なロシア極東地方と親日的なモンゴルも視野に入れた北東アジアに対する経済政策を展開する必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Labor Supply, Income and Government Purchasing in Chinese Agricultural Sector2005

    • 著者名/発表者名
      宮本勝浩
    • 雑誌名

      Journal of Economics, Business and Law 第5巻

      ページ: 13

  • [雑誌論文] Exports and Economic Growth in Russia and China2005

    • 著者名/発表者名
      宮本勝浩
    • 雑誌名

      Japanese Slavic and East Europearn Studies Vol.26次号

      ページ: 14

  • [雑誌論文] 通貨危機以降の韓国経済・企業改革2005

    • 著者名/発表者名
      高龍 秀
    • 雑誌名

      「現代韓国経済-進化するパラダイム」日本評論社の第1章(環日本海経済研究所編)

      ページ: 23

  • [雑誌論文] The Development of Private Enterprises and Struggle for Existence of State-owned Enterprises in a Transition Economy2004

    • 著者名/発表者名
      宮本勝浩
    • 雑誌名

      Osaka Prefecture University, College of Economics Discussion Paper New Series No.2004-2

      ページ: 14

  • [雑誌論文] 日本,中国,ロシアの輸出成長力の経済成長に与える効果の比較分析2004

    • 著者名/発表者名
      宮本勝浩
    • 雑誌名

      世界経済評論 48巻11号

      ページ: 10

  • [雑誌論文] モンゴルの人口の国内移動と貧困2004

    • 著者名/発表者名
      駿河輝和
    • 雑誌名

      mimeograph

      ページ: 11

  • [図書] 移行経済の理論2004

    • 著者名/発表者名
      宮本勝浩
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      中央経済社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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