研究課題
基盤研究(B)
研究代表者宮本勝浩は、何度も現地を訪れ、ロシア極東地方と中国の経済の分析を行った。ロシア極東地方は、ヨーロッパロシアと比較して経済発展は停滞している。その一因は、外国からの直接投資や貿易量が少ないことが原因である。他方、中国の目覚しい経済成長の要因は、貿易量や外国からの直接投資であることが検証された。過去十年間で貿易量、直接投資は急増している。さらに、産業構造の変化が顕著であり、衣類、繊維、食料品などの産業に加え、近年は機械、機器などの産業が国際競争力を持ちつつあることが証明された。他方、ロシアは過去も現在も原材料にのみ比較優位を持ち、二次産業には全く比較優位を持たないことが立証された。研究分担者の駿河輝和は、何度もモンゴルを訪問し、モンゴルの労働力調査から生産力の変化を分析した。モンゴル経済は市場経済への移行を図っているが、農業畜産部門への依存度が高く、付加価値の高い産業部門の育成が遅れていることが立証された。経済の活性化に外国からの直接投資の積極的な導入をはかる必要性があることが示された。研究分担者の高龍秀は、韓国経済の分析を行った。韓国は構造転換に成功し、アジア金融危機以後も高い成長率を維持し、先端部門においても日本に迫ってきている。しかし、金融システムなどに問題点も残していることが示された。私たちの分析したエリアは、高い経済成長を維持している韓国や中国と、市場経済化を目指しているが十分な成長を遂げていないロシアとモンゴルの2つの領域に分けることができる。日本は、経済成長が目覚しい中国や韓国だけではなく、天然資源の豊富なロシア極東地方と親日的なモンゴルも視野に入れた北東アジアに対する経済政策を展開する必要があると考えられる。
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