研究課題/領域番号 |
13430016
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
岡本 義行 法政大学, 社会学部, 教授 (50105847)
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研究分担者 |
清成 忠男 法政大学, 経営学部, 教授 (20061111)
山本 健兒 法政大学, 経済学部, 教授 (50136355)
小門 裕幸 法政大学, エクステンション・カレッジ, 教授 (20322521)
原田 誠司 那須大学, 都市経済学部, 教授 (90228643)
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キーワード | 産業集積 / 支援体制 / 国際比較研究 |
研究概要 |
2002年度、産業集積の支援体制に関する国際比較研究を通して、その理論的・実証的研究を実施した。海外については、イタリアのエミリア・ロマーニャ州、ドイツのノルトライン・ウエストファーレン州およびアメリカのカリフォルニア州を中心に調査を実施した。 調査結果の重要な点は、EUの産業集積および中小企業に対する支援体制が1990年代後半から大きく変化していることである。産業集積や中小企業に対するコンサルティングやインフラ整備が支援の中心を占めていたいが、近年イタリアとドイツでは地域の大学を核とした技術革新とその移転を中心とした支援に転換した。また、支援機関の民営化が進められている。アメリカについては、ITバブルの崩壊にもかかわらず、バイオやソフトなどの知的クラスターの形成が続いている。 国内については、大田区、桐生、福井、浜松、東大阪、花巻、日立、燕などの産業集積を調査した。企業家や支援機関に対するインタビューを実施した。とくに、花巻については、かなり綿密なアンケート調査を花巻起業化センターと地元企業の協力をえて実施した。 不況と国際競争の中で、ほとんどの産業集積は、まだまだ大きな変化にはつながっていないが、新しい試みを始めている。支援体制はコーディネーション中心に移行しているが、企業の経営資源が不足しており、コーディネータも能力が低い。これを改善することが緊急の課題である。プラットフォームという考え方も必要であるが、各地域の実情に合わせた支援体制の構想が国僚比較の視点からは重要である。 また、支援体制を地域が構想し運営するためには、地域コミュニティの凝集力や協力体制が大きな役割を果たす。近年注目されているSocial capital(制度資本)や信頼関係も産業集積の経済的成果や転換能力、そして支援体制の形成に影響を与えている。
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