研究課題/領域番号 |
13430021
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉原 薫 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60117950)
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研究分担者 |
植田 浩史 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (10213357)
谷本 雅之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10197535)
阿部 武司 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10151101)
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キーワード | 労働集約型工業化 / 勤勉革命 / 要素賦存 / 資源 / 綿業 / 在来産業 / アジア経済史 / 日本経済史 |
研究概要 |
本研究は、アジアの工業化の歴史的背景をグローバルな観点から解明すべく、世界のトップクラスの研究者のあいだの実質的な国際交流を進めてきた。今年度は、ブエノスアイレスにおける第13回国際経済史会議でセッションを組織した。それに先だって、2001年度に大阪で行った国際会議のペーパー14本(研究代表者の序論を含む)が、国際経済史会議事務局からCD-ROMで刊行されるとともに、会議の前後にかけてウェッブページで公開された。本セッションは、7月25日に約40名の参加を得て、3時間半にわたって開催された。本研究のメンバーからは、杉原と谷本が参加し、大阪の会議には出席できなかったMichel Hau (France), David Clayton (U.K.)の参加も得、活発な議論を戦わせた。90近いセッションのなかでも、もっとも成功したものの一つとの評価も受けた。 これらのペーパーの中から約10本を選び、改稿して、海外の出版社から出版すべく、現在交渉中である。最終年度である次年度は、この作業に集中したい。 他方、このプロジェクトのいわば副産物として、多くの関連プロジェクトが構想され、また和文、英文の業績が刊行されつつある。海外の共同研究者は、このプロジェクトを一つの契機として、今年度再び来日した(P.K.O'Brien, Jan de Vries)。代表研究者はイギリスを訪れ、イギリスのメンバーとロンドンで交流した。また、メンバーの研究を翻訳して、出版した。その中から、従来の西洋中心史観の相対化を超えた、より普遍的な歴史意識が芽生えつつあるように思われる。 これまでの成果の一端を「研究発表」欄に掲げるが、この他にも、大規模な国際プロジェクト(イギリスの財団の支援によるもの)や、アメリカの社会科学院のプロジェクトなどが同時平行的に進行しつつある。日本、アジアの研究とその方法によって国際学界をリードするという当初の目的はある程度達成されつつあると考えられる。
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