研究課題/領域番号 |
13430033
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
竹野 忠弘 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80216928)
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研究分担者 |
佐々木 一彰 鈴鹿国際大学, 国際学部, 講師 (20329915)
牧野 勝都 富士短期大学, 経営学科, 助教授 (40248977)
KHONDAKER Mizanur Rahman 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (10281487)
日野 健太 早稲田大学, 商学部, 助手 (70339670)
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キーワード | 経営開発(Management Development) / 企業家精神 / コーポレート・ガバナンス / リーダーシップ論 / 経営行動 / 経営教育 |
研究概要 |
経営者開発(MD=management Development)における企業家精神の育成カリキュラムについて、日本における創業者ならびに中興者人材の事例検討を通じて研究を進めてきた。すなわち、伊庭貞剛、松下幸之助、大野耐一、本田宗一郎、ならびに滋賀県出身の創業者を検討材料として、その故地や資料館を訪ね検討した。さらに、6回の研究会を通じて、企業家精神、社会的責任の認識、指導者としての権限・機能などについて議論を重ねてきた。 日本には、「買い手よし売り手てよし世間よし」に象徴されるような、独自の「消費者利益、従業員・株主利益、環境調和」の経営思想が近代以前から存在していた。 また、こうした事例では、利益追求は経営の目的ではなかった。利益は、前述の経営理念を他人に依存することなく自立して実現するために必要な手段に過ぎない。 さらに、事業の展開が、従業員の自己実現を図るということに配慮するため、独自の人材管理・育成の方式(年季奉公、見習、人材の信頼性の評価)、例えば「小僧の神様」風の人情の機微が経営発展の契機となるなど、を内在していることが明らかになった。日本のMDは、科学が強調されがちな欧米流の経営育成論とは異なる。 次年度の研究発展の方向は次のとおりである。まず、事例検討から日本に固有な人材管理・育成の方式を抽出する。次いで、欧米におけるMDに関わる各種概念(MD、企業家精神、コーポレート・ガバナンス、リーダーシップ)について、レビュー論文を作成する。最後に、先にまとめたの日本固有の人材管理・育成の方式が、欧米産のMDに関わる各種概念をどのように発展させるものなのか、研究の成果として試論を提起したい。
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