研究分担者 |
竹ヶ原 裕元 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10211351)
松下 大介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90333591)
山下 博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30192793)
八牧 宏美 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60028199)
山田 裕史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40192794)
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研究概要 |
1.群とカテゴリーに関連した母関数の研究.カテゴリーの指数関数型母関数について,弱いクルルシュミット性と指数関数型恒等式の存在との同値性を示した.さらに対称関数のプレシズム合成について研究した. 2.丹原関手係数のベキ級数環の研究.局所有限トポスとそこからの丹原関手(乗法的移送写像と環構造を持つマッキー関手)上のベキ級数環と多項式環を昨年度重点的に研究したが,今年度は集合のカテゴリーへの丹原関手を研究した.この研究の過程で,ブール代数を係数環とするヘッケ環やボース・メスナー代数が定義されることが分かった.現在距離正則グラフや組合せデザイン,自己双対符号の研究は,当初の楽観的状況からやや行き詰まりを見せているが,その現状を打破する新たな道具になるかもしれない. 3.群論などへの応用.ふたつの有限群の間の準同形写像の個数に関する浅井-吉田の予想はほぼ10年経った今も未解決である.これについては竹ケ原たちが精力的に研究しており,ふたつの重大な背景が浮かび上がってきた.ひとつはp進解析によるこの問題のカオス的状況への挑戦である.もう一つは,吉田が漠然と指摘していた位相的量子場の理論との関係である.特にある種の曲面の基本群から有限群への準同形写像の個数が重要な役割を果たす.そこでは有限群の通常表現論が思いがけない耳で現れている. 本研究の成果は順次出版公表の予定である.特に研究代表者による斜バーンサイド環や,母関数の理論のカテゴリー論的様相などは投稿先から指摘された箇所を訂正中である. また対称関数に関するプレシズム合成のカテゴリー論的解釈を,「代数的組合せ論シンポジウム」(熊本)において発表した.
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