階数1の単純り一群の離散部分群の幾何学的手法による研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13440019
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 納谷 信 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (70222180)
• 研究分担者: 中西 敏浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00172354) ; 小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034) ; 江尻 典雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (80145656) ; 糸 健太郎 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (00324400) ; 太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
• キーワード: 四元数CR幾何 / 四元数多様体 / 格子の剛性 / 調和写像 / 有理型写像 / 結晶格子 / 大偏差原理 / 双曲多様体

研究概要

研究代表者・納谷信は、研究分担者・鎌田博行と共同で四元数CR幾何の研究を行った。昨年度、標準接続の表現論的意味を明らかにしたことを踏まえて、今年度は標準接続の曲率の分解と共形不変部分の特定に向けて計算を行った。さらに、H^n内の凸領域の四元数多様体としての同値性を判定する問題への応用について考察を行った。
納谷信は、インカン・キム(ソウル国立大学)と共同で、4次元閉双曲多様体の基本群(Sp(1,1)のココンパクト格子)のSp(n,1)(n【greater than or equal】2)への表現の剛性について共同研究を行った。この研究は、リーマン面の基本群のSU(n,1)への表現に対する剛性定理(Toledoによる)の四元数的類似を目指すものであり、調和写像を用いるアプローチについて検討を行った。
小林亮一は、一般型代数多様体から半単純複素Lie群の離散群による商空間への有理型写像のについて研究し、そのような写像の像はコンパクト複素トーラスに含まれることを示した。
小谷元子は、結晶格子上のランダム・ウォークに対する大偏差原理について研究し、リスケールされた結晶格子のハウスドルフ極限として得られる距離空間の幾何に関する解釈を与えた。
糸健太郎は、3次元閉双曲多様体の基本群(PSL(2,C)のココンパクト格子)の、SO(4,1)への離散的な表現への変形可能性について考察した。とくに、この出題との関連で、一つの双曲的元によって生成されるSO(4,1)の初等的部分群が、階数3の放物的的部分群に幾何学的に収束し得ないことを明らかにした。

研究成果

• [文献書誌] 納谷信: "四元数CR幾何"LNS Math., Osaks Univ.. 7. 233-253 (2002)
• [文献書誌] 納谷 信, 井関裕靖: "組合せ調和写像と超剛性"数理解析研究所講究録. 1270. 182-194 (2002)
• [文献書誌] 江尻典雄: "A differential-qeometnz Schottby problem, and minimal surfaces in to"Comten porary Math.. 308. 101-144 (2002)
• [文献書誌] 小林亮一: "Truncated counting function for holomorphic curves in Abelian varieties"Proc., Complex geometry Tokyo 2002. (to appear).
• [文献書誌] 小林亮一: "Truncated counting function in the Schmidt Subspau Theorem"Proc. SCV Hayama 2002. (to appear).
• [文献書誌] 小林亮一: "Toward Nevaliuna theory as a gemetrz model for Diophantive approximation"Sugaku Exp. AMS.
• [文献書誌] 小谷元子: "A central limit theorem for magnetic transition operators as a Crystal lattice"J. London Math. Soc.. 65. 464-482 (2002)
• [文献書誌] 小谷元子: "Lipschirz continuity of the spectra of the magnetic transition operators on a crystal lathice"J. Geom. Phys.. (to appear).
• [文献書誌] 小谷元子, 砂田利一: "Geometrical aspect of large diviation for vandom walks on a crystal lathice"Microlocal Andysis and Fourin Analysis. 186-199 (2002)
• [文献書誌] 小谷元子: "結晶格子を通してみる離散幾何解析"数学. 54-4. (2002)
• [文献書誌] 太田哲史: "Brislcorn manifold and metric of positvine scalar curvature"Adv. Stud. Pure Math.. 34. 231-236 (2002)
• [文献書誌] 太田啓史, 小野薫: "Symplectic fillings of the link of simple elliptic singularities"J. Reine Angew. Math.. (in press).
• [文献書誌] 井関裕靖: "Couvex-cocoupactiveos of kleinian groups and confornmally flat manifolds"Proc. AMS. 130. 3731-3740 (2002)
• [文献書誌] 鎌田博行: "Self-dual kahlen metrics of neutral cignature on complex surfaus"Tohoku Math. Publ.. 24. (2002)
• [文献書誌] 鎌田博行: "Time-like killing vector fields on compact indefinite kihlen surfaus"Proc, Complex structures and vector fields. (to appear).