研究分担者 |
西田 吾朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00027377)
吉村 善一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70047330)
古田 幹雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50181459)
夏目 利一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00125890)
島川 和久 岡山大学, 理学部, 教授 (70109081)
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研究概要 |
Gを位相群、X,YをG-空間とする時、XからYへのG写像全体のG-homotopy類全体の集合[X,Y]^Gが空集合であるか否かを問うことは、最も基本的で自然である。G空間対X,Yのオイラー類e(X,Y)∈[X_+,S^0*Y]^G_*を次の射のG-homotopy類として定義しよう: e(X,Y):X_+→S^0→S^0*Y ここで、最初の射X_+→S^0はXにdisjointな基点を付加して得られた空間X_+を2点S^0に潰す写像で、2番目の射S^0→S^0*Yはjoinへの一つの成分S^0の自然な包含写像である。これに関し、研究代表者は以下の結果を得た: (i)[X,Y]^G≠0⇒e(X,Y)=*∈[X_+,S^0*Y]^G_*. (ii)Gをコンパクト・リー群,X,YをG-CW複体とし、全てのXの等方化部分群H⊆Gに対し、dimX^H【less than or equal】2c(Y^H)+1+dimN_G(H)/Hが成立していると仮定する。但しc(S)は空間Sの連結度である。するとこの時、[X,Y]^G≠0⇔e(X,Y)=*∈[X_+,S^0*Y]^G_*. (iii)更にX上のG作用は自由とし、dim(X/G)【less than or equal】2c(Y)+1を仮定する。するとこの時、[X,Y]^G≠0⇔e(X,Y)=*∈[X_+,S^0*Y]^G_*で、更に同変安定化写像[X_+,S^0*Y]^G_*→{X_+,S^0*Y}^G_*も同型となる。 (iv)更にYを有限G-CW複体とする。この時G-S-dualityを用いて、オイラー類を適当な安定コホモトピーの元とみなすことが出来る: e(X,Y)∈[X_+,S^0*Y]^G_*={X_+,S^0*Y}^G_*={X_+Λ_GD_G(S^0*Y),S^0}_*=π^0(X_+Λ_GD_G(S^0*Y)). X上のG作用が自由の場合、e(X,Y)はfiber bundle Xx_GY→X/Gに切断が存在する為の障害を与え、さらにYが球面上の場合にはBeckerやCrabbによって定義された安定コホモトピー類と一致する。それ故、e(X,Y)のHurewicz写像π^0(X+Λ_GD_G(S^0*Y))→H^0(X+Λ_GD_G(S^0*Y))による像は、Thom同型を通して古典的なベクトル束のオイラー類となる。より一般に、ベクトル束のassociated Stiefel束に対しe(X,Y)は、古典的なChen類・Stifel-Whitney類等の適当な安定コホモトピーへの持ち上げを与える。このような観点からは、より一般にX上のG作用が必ずしも自由ではない場合のe(X,Y)はorbifold bundle Xx_GY→X/Gに対する「universalな」オイラー類として解釈できる。以上が、研究代表者の本年度における最大の研究実績と言える。 また平成13年12月21-24日には、「名工大ホモトピー論集会01」を開催し、安定ホモトピー論に関する2つのsurvey talksと、ホモトピー論周辺分野の10人の一流研究者たちによる、ホモトピー論に対する建設的な批判を念頭にした講演を行った。
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