研究分担者 |
西田 吾郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00027377)
吉村 善一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70047330)
古田 幹雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50181459)
夏目 利一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00125890)
島川 和久 岡山大学, 理学部, 教授 (70109081)
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研究概要 |
昨年度の研究で、Gを位相群、X, YをG-空間とする時、XからYへのG写像全体のG-ホモトピー類全体の集合[X, Y]^Gが空集合で無いための極めて普遍的な障害類として、G空間対X, Yのオイラー類e(X, Y)∈[X_+,S^0*Y]^G_*を定義し、何時これが完全に忠実な障害類になるか(つまり、e(X, Y)が自明なら[X, Y]^G≠0が帰結できるか)など、幾つかの性質を得た。 今年度の研究では、この概念が困難なく一般化できる重要な状況として、VoevodsskyらのA^1-ホモトピー論と、Farberによって定義されたロボットアームなどのモーションプランニングの困難度を測るトポロジカル・コンプレクシティーの2つの場合を認識したが、まだどちらの場合も、何時これが完全に忠実な障害類になるかについての完全決定には至らなかった。しかしながら、トポロジカル・コンプレクシティーの場合には、本質的に古典的な意味でのセール・ファイブレーションに対する古典的障害理論の安定コホモトピーにおける普遍化の観点から考察すればよく、ファイバーワイズ・ホモトピー論の手法が有用であることを認識して証明完成まであと一歩に迫った。 今年度はまた、「名工大ホモトピー論集会02」を計5回開催し、他分野の研究者の方々に超集中講義をしていただいた。そこではっきりして来たのは、楕円コホモロジーの真の理解の為には、頂点作用素代数・共形場理論等をとおしてもっと広い分野の数学と関わっていかなくてはならないと言うことである。楕円コホモロジー論をrefineしたものとしてHopkinsらによってeo_2理論が定義されたが、Bauer-Furuta安定ホモトピーSeiberg-Witten不変量を通してadjunction inequality等、4次元多様体論にも有用でありそうなことがわかってきた。これについては来年度以降の課題としたい。
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