研究課題/領域番号 |
13440024
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山口 孝男 筑波大学, 数学系, 教授 (00182444)
|
研究分担者 |
守屋 克洋 筑波大学, 数学系, 助手 (50322011)
川村 一宏 筑波大学, 数学系, 助教授 (40204771)
伊藤 光弘 筑波大学, 数学系, 教授 (40015912)
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90235507)
大津 幸男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80233170)
|
キーワード | 崩壊 / グラフ多様体 / グロモフ・ハウスドルフ収束 / 3次元多様体 / アレクサンドロフ空間 |
研究概要 |
1.断面曲率が下に一様に有界で体積が小さい3次元コンパクト・リーマン多様体の崩壊を決定し、そのような多様体はグラフ多様体であることを証明した(分担者塩谷隆氏との共同研究)。この結果はPerelman氏の最近のリッチ流による3次元多様体の幾何化に関する仕事の最終段階で用いられる崩壊に関する結果と関連している。この研究結果について、5月のドイツ、Oberwolfachにおける研究集会で、また12月に、アメリカ数学研究所(AIM)における研究集会で研究発表した。初めに採用した証明は局所的なファイバー構造の張り合わせを位相的方法により成し遂げたもので、非専門家には難解であった。これをファイバーがほとんど並行であることに着目して、純粋に微分幾何的手法に変更して、張り合わせの議論を明解にすることが出来た。この証明の変更については、ドイツ、アメリカにおける研究集会での専門家との議論が大変役立った。 2.曲率が上に有界な特異空間の局所的な構造は大変複雑であるが、空間の次元が2である場合に、そのような特異曲面の局所的な幾何構造を明らかに出来た。すなわちそのような空間は、各点の近傍は有限個の凸円盤の張り合わせとなることが明らかになり、特異点集合をも決定することができた。この研究については論文を準備中である。 3.3月中旬に空間収束と特異空間に関する2回目の研究集会を昨年に引続き筑波大学で開催する予定で、上述のPerelman氏の仕事の解説(戸田正人氏、お茶の水大学)やアレクサンドロフ空間のランダム・ネットのラプラシアンの収束(分担者大津幸男氏)を初め、本研究計画遂行上有益な講演がなされる予定である。また、断面曲率が下に一様に有界で体積が小さい3次元コンパクト・リーマン多様体の崩壊に関する結果を講演する予定である。
|