研究課題/領域番号 |
13440026
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
三松 佳彦 中央大学, 理工学部, 教授 (70190725)
|
研究分担者 |
坪井 俊 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40114566)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
高倉 樹 中央大学, 理工学部, 助教授 (30268974)
森吉 仁志 慶應大学, 理工学部, 助教授 (00239708)
|
キーワード | 接触構造 / 葉層構造 / symplectic構造 / 概複素構造 / 双接触構造 / Anosov流 / 射影的Anosov流 / Asymptotic linking |
研究概要 |
Asymptotic linkingという概念によって3次元多様体上の葉層構造や接触構造の重要な不変量を統一的にとらえる枠組みを考察を開始した。これは、非圧縮非ホモロジー的流の空間すなわち、完全2形式の空間に定義されるasymptotic linkingという非退化二次形式に葉層コホモロジーや接触構造のtorsion不変量を表現する手段を与える。これについて現在までに得られている結果を葉層構造論関係の国際会議"Foliations and Geomtry 2001"(Rion de Janeiro,Brazil,2001年8月)のmini-course(3回連続講演)として発表するよう要請があり、これを行った。特に、葉層構造と接触構造が特殊な関係にある場合、葉層構造の情報から接触構造の重要な情報が導かれる可能性が高いことを示した。 一方、多様体上の流体力学の基礎付けを更に拡充すべく、Navier-Stokes方程式を一般のRiemann多様体上で導出する幾何学的理論を再構築した。(同様の結論は既に1992年頃E.M.Taylorにより得られていた。) 良い接触構造と葉層構造には共通の不等式が成り立つ。接触構造に対してはBennequinの不等式、葉層構造に対してはThurstonの不等式と呼ばれ、これらには更にabsolute version(閉曲面に対するもの)とrelative version(横断的境界を持つ曲面に対するもの)がある。接触構造の場合、tight性とBennequinの不等式のrelative versionが成立することは同値であることが知られており、absolute versionはこれより弱い。葉層構造の場合は、Reeb成分を持たなければrelative versionもabsolute versionも成立することは知られていた。Relative versionがabsolute versionを意味すること、及び、Reeb成分を持たないことやvanishing cycleを持たないことなども不等式の言葉で然るべく特徴づけられることが分かった。
|